今年もやってきた花粉症の時期。くしゃみや鼻水、目のかゆみなど花粉症の症状に悩む人は年々増加傾向にあります。埼玉県も例外ではなく、今年も花粉の飛散量は増加傾向にあり、症状の改善に悩んでいる人が多くいます。
今回は、2021年の花粉の飛散量と合わせて、花粉症の治療法を解説!あわせて埼玉県で評判の良い医療機関も紹介します。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。

臨床工学技士・心理カウンセラー・医療ライター。大学病院出の勤務を経験したのち、結婚を機に医療ライターへ転身。2019年より「kakotto.」を立ち上げ、地域に根差した医療・福祉にかんする記事を執筆している。
目次
ツライ花粉症…埼玉県の花粉の種類は?

くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状をともなう花粉症。埼玉県ではスギやヒノキの花粉が飛散しています。ここでは埼玉県の2021年の花粉の飛散情報を確認してみましょう。
埼玉県の花粉飛散情報【2021年】
埼玉県はさいたま市内ではスギ花粉は2021年2月21日、ヒノキ花粉は2021年3月9日に花粉の飛散が確認されました。飛散開始は例年通りです。
関東では、スギ花粉のピークは3月上旬~中旬にかけて、ヒノキ花粉のピークは4月上旬~中旬終わりごろの予測です。(2021年2月時点)
埼玉県の花粉飛散状況は以下リンクより確認できます。日ごと、週ごとの花粉飛散情報が掲載されていますので、気になる方はぜひご確認ください。
花粉症の治療法の種類~あなたに合った治療法を~

ツラい花粉症は市販薬で対処する方法もあります。
しかし、症状に合った治療を行わなければ、なかなか症状が治らなかったり、症状により集中力が低下したりして、症状が長引くことも。そのため、医療機関を受診して、自分に合った治療を受けることが大切です。
花粉症の治療は「薬物療法」「舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)」「手術療法」の3つが基本です。今回はこの3つと合わせて、新薬のゾレア®についても解説します。
飲み薬や点鼻薬、点眼薬などのや薬物療法
薬物療法では、飲み薬や点鼻薬、点眼薬を使って今起きている症状を緩和・改善するための対症療法を行います。
飲み薬では、鼻水の症状を抑えるために抗ヒスタミン薬を服用します。これまで抗ヒスタミン薬を飲むと眠たくなるなどの副作用がありました。
しかし、現在では眠気の副作用が出にくい薬もあります。車の運転をする人や仕事中の眠気が気になる人は医師に眠気が出にくい薬を処方してもらいましょう。
鼻腔に炎症が起きている場合は、鼻に直接噴霧する点鼻ステロイド薬の使用が一般的です。鼻詰まりが起きている場合は同じく点鼻薬のロイコトリエン受容体拮抗薬を使用します。
また、花粉症の特徴的な症状である目のかゆみなどに対しては、メディエーター遊離抑制薬や、抗ヒスタミン薬の点眼薬の使用が一般的です。
花粉飛散量のピークを迎え、症状が悪化する場合は、アレルギーにより起こる症状に対して、点眼ステロイド薬を使用する場合もあります。
点眼ステロイド薬を使用すると、眼圧上昇などの副作用が起こることがあります。そのため、眼科での定期的な検査が必要です。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
舌下免疫療法は、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を舌の下に投与して、少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱める治療法です。
治療は長期間行われ、数年以上かかることもある根気のいる治療です。
しかし、薬物療法で副作用が出やすい患者さんや薬物療法だけでは症状が軽快しない患者さんには、症状を長期に渡って抑えることができます。
免疫療法は舌下錠を使った舌下免疫療法と、皮下に注射して行う皮下免疫療法があります。舌下錠を使用した治療では、スギ花粉とダニが保険適用です。
現在は皮下免疫療法を行っている医療機関の数は少ないため、皮下注射のでの免疫療法に対応している医療機関が住まいの近くにあるか事前に調べておきましょう。
今は花粉症の注射を行っている所は少ない?
前述したように、花粉症の免疫療法として皮下免疫療法を行っている病院は少ないようです。
皮下免疫療法は、治療初期の段階では毎週1回の注射を3ヶ月(12週間)続ける必要があり、その後は月1回の注射を3年以上続けなければなりません。
初期段階で何度も通院するのは、注射でアレルゲンを注入する際にアナフィラキシーショックを招くおそれがあるためです。そのため医師や看護師のもとでの治療が義務付けられています。
こうした負担を考えて、舌下免疫治療のみを行う医療機関がほとんどです。
レーザー治療
3つ目の手術療法では、鼻の粘膜をレーザーで照射するレーザー治療が行われます。
鼻の粘膜にレーザーをあてることで、花粉症によって炎症が起きている粘膜が凝固。すると、鼻の空間を拡張され、鼻づまりの症状が解消します。
さらに、照射した部分の鼻粘膜が硬くなることで、外から侵入してきた花粉が付着しにくくなって症状が起こりにくくなる効果も期待できるでしょう。
レーザー治療にかかる時間は準備なども含めて30分程度で、日帰りが可能です。現在では、出血や痛みに配慮した医療機器も登場しています。
保険適用の治療なので、これまでに薬物療法では症状が緩和しなかったという人は、医師に相談してレーザー治療を検討してみましょう。
スギ花粉重症の方向けの新薬「ゾレア®」
花粉症は重症化すると、症状により集中力が低下したり、QOLが著しく低下したりするなど日常生活に支障がでる可能性もあります。そうしたツラい症状に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
これまで花粉症の重症化への治療はレーザー治療などが基本でしたが、花粉症のうち、スギ花粉の重症・最重症に対する新たな治療が、2020年より受けられるようになりました。
商品名を「ゾレア®」といい、「IgE抗体治療」として位置づけられています。
ゾレア®は、IgE抗体に作用してアレルギー反応である鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状を抑制します。これまで薬剤の変更や増量ができず症状に悩んでいた人は是非検討したい治療法です。
ただし、IgE抗体治療を受けるには以下の条件を満たさなくてはなりません。
上記の条件以外にも、妊娠中または授乳中の人や合併症や既往歴のある人などは治療を受けられない可能性もあります。治療を検討している人は、事前に医師に伝えましょう。
ゾレア®の治療は保険適用です。しかし、人により投与する量が変わるため、高額になる可能性もあります。事前の医師との診察の際に費用感についても相談することをおすすめします。
埼玉県で花粉症を治療したい!口コミの評判が良い医療機関

ここからは埼玉県で花粉症の症状で困っている人に向けて、埼玉県で花粉症治療を行っている医療機関をピックアップしました。
薬物治療だけでなく、レーザー治療や舌下免疫療法も行っている病院を選定しています。口コミの評判が良い病院ばかりですので、ぜひ参考にしてくださいね。
「大宮駅前耳鼻咽喉科クリニック」さいたま市大宮区
大宮駅前耳鼻咽喉科クリニックは、耳や鼻、喉の病気だけでなく、専門性の高い睡眠時無呼吸症候群、花粉症やアレルギー性鼻炎などの治療も行っています。
スギ花粉の舌下免疫療法は5月から開始しており、重症スギ花粉症治療薬「ゾレア®」にも対応可能。ネット予約もでき、JR大宮駅前で通いやすいのも魅力です。
「とくまる耳鼻咽喉科」さいたま市南区
とくまる耳鼻咽喉科では、耳や鼻、喉の病気の診療にくわえ、いびきやアレルギー、耳鳴りなどの症状にも対応しています。花粉症治療ではスギの舌下免疫、レーザー治療、重症スギ花粉症治療薬「ゾレア®」にも対応。
また小児の診察やオンライン診療、新型コロナウイルスPCR検査も行っています。
「かみうら耳鼻咽喉科」さいたま市岩槻区
かみうら耳鼻科は耳鼻咽喉科の一般診療はもちろん、顔面神経麻痺や睡眠時無呼吸、おでこや頬の痛みなど幅広く対応。
花粉症ではスギの舌下免疫療法やレーザー治療も行っています。クリニック内の待合は落ち着いた雰囲気で、患者さんの希望を考慮した治療法を提案してくれるのが特徴です。
「はつかり耳鼻咽喉科クリニック」川越市
はつかり耳鼻咽喉科クリニックは、何でも相談できるかかりつけ医として耳鼻咽喉科の診療はもちろん、小児耳鼻咽喉科、アレルギー科など幅広く対応しています。オンライン診療を取り入れており、外出しにくいこのご時世でも気になる症状を遠隔で相談可能できますね。
花粉症治療ではレーザー治療、スギの舌下免疫療法に対応。ネット予約もできるため忙しい人でもかかりやすくなっています。
「戸田耳鼻咽喉科」戸田市
戸田耳鼻科は、2014年に開業したクリニックです。一般の耳鼻咽喉科はもちろん、小児の耳鼻咽喉科にも対応しています。
また、花粉症治療では舌下免疫療法、レーザー治療に加え、重症スギ花粉症治療薬「ゾレア®」も取り入れています。ネット予約もでき待ち時間状況も確認可能。
WEB問診票もあり、初診でもスムーズに診察を受けることが可能です。
「レイクタウンたけのこ耳鼻咽喉科」越谷市
レイクタウンたけのこ耳鼻咽喉科では一般・小児の耳鼻咽喉科のほかに、口やのどにできるがんなどの診察相談も行っています。花粉症の治療ではレーザー治療、舌下免疫療法にも対応。
内視鏡やCTなどの医療機器も完備されており、より詳しく検査することができます。ネット予約やオンライン診療にも対応しています。
「深谷耳鼻咽喉科クリニック」東松山市
深谷耳鼻咽喉科では、アレルギー性鼻炎、中耳炎、慢性副鼻腔炎などの手術治療にも力を入れています。レーザー治療器やCT検査機器などの医療機器設備を導入し、入院不要の日帰り手術に対応。
また、耳鼻咽喉科分野以外の体調不良やかぜなどの内科診療や禁煙外来も行っています。耳、鼻、のどにおこるさまざまな不調に幅広く対応しており、画像を使ったわかりやすい説明が評判です。
「江原耳鼻咽喉科」志木市
江原耳鼻咽喉科は「親切に・丁寧に」をモットーに、志木市に開院30年以上の地域に根差したクリニックです。一般診療はもちろん、乳児や小児への耳掃除やアレルギー検査も行っています。
花粉症治療では、舌下免疫療法やレーザー治療も行っており、痛みに配慮した治療を心がけています。点鼻薬や抗ヒスタミン薬などの処方も行っており、患者さんの症状に併せた治療を行うのが特徴です。
花粉症で目がかゆい!埼玉県の評判の良い眼科

次に、花粉症の症状で起こる目のかゆみや涙がでるなどの症状を扱っている医療機関をピックアップしました。花粉で目に強い症状がある方は眼科で診てもらう方が良い場合もあります。
気になる症状があればお近くの眼科を受診しましょう。
「しもかわ眼科クリニック」さいたま市北区
しもかわ眼科クリニックは、加茂宮・宮原地区の地域密着のかかりつけ眼科として、子どもから高齢者まで幅広く診療しています。白内障や緑内障、ドライアイなどの目の病気のほかにも花粉症により起こる目のトラブルにも対応。
ネット予約にも対応しているため、花粉症による目の症状が起きてもすぐにかかりやすくなっています。
「久喜かわしま眼科」久喜市
久喜かわしま眼科は2018年1月末に開院した地域医療への貢献を目指すクリニックです。土日診療、オンライン診療を行っているため、忙しい人でも通いやすくなっています。
白内障や硝子体疾患の手術治療をはじめ、花粉症による目のトラブルにも対応しており、些細な症状でも丁寧に診察してくれるのが特徴です。
「さけみ眼科」所沢市
さけみ眼科は豊富な医療機器をそろえ、日帰りの白内障手術も行っているクリニックです。花粉症により起こるアレルギー性結膜炎にも対応しており、症状に応じた点眼薬を処方しています。
西武池袋線「狭山ヶ丘駅」から徒歩1分の場所に位置しており、通いやすいクリニックです。
「中島眼科」新座市
中島眼科は一般的な眼科疾患から、日帰り白内障、硝子体手術などの手術にも対応しています。
「優しさと温もりを感じる眼科医療」をモットーに、症状の程度にかかわらず、何でも相談しやすい雰囲気が特徴です。花粉症により起こるアレルギー性結膜炎にも対応しています。
埼玉の医療機関をチェックして花粉症の治療を受けよう
花粉症の治療は「薬物療法」「レーザー治療」「舌下免疫療法」などの治療が基本です。
また2020年より、新しい治療法としてIgE抗体治療「ゾレア®」が保険適用となりました。スギ花粉症が重症化し悩んでいる人は、今回紹介したゾレア®の扱いがある埼玉の医療機関を受診してみてはいかがでしょうか?