「うどん」は、おむすびと並ぶ日本人のソウルフード。老若男女の好物と言っても過言ではありません。
今回は埼玉県北部の有名な郷土料理「加須のうどん」についてまとめました。藤が有名な「玉敷神社」や歴史ある酒蔵が多数ある「加須市」は、知る人ぞ知るうどんの名所でもあるのです。
「名高い”加須うどん”をもっとを知りたい」「加須うどんを堪能したい」という方は、ぜひお読みください!
※掲載内容は執筆当時のものです。今後の状況により変更される場合があるので、最新情報は事前にご確認ください。
目次
加須のうどんとは?

加須市は埼玉県北部に位置し、栃木県・茨城県・群馬県に隣接しています。古くより利根川の水を利用した水稲耕作が盛んで、稲の裏作として「麦」が栽培されてきました。
とはいえ「うどん」は常食されていたわけではありません。
年貢として米を納めた庶民は、普段の日は大麦を混ぜた「麦飯」を食べており、幾多の工程を踏んで作る「うどん」はハレの日などの「もてなし料理」だったのです。
江戸時代、加須のうどんは、利根川の「渡船場」や、仁和2年(886年)開山の古刹「總願寺(そうがんじ)」近くの名物料理でした。旅人や参詣客が、コシの強い加須うどんに舌鼓を打ったことは想像に難くありません。
加須うどんの特徴

加須の手打ちうどんは「寝かせ」「足踏み」と呼ばれる工程を、一般的な製法の倍以上の時間かけて得られる独特の「コシ」が特徴です。
冬は濃厚なスープによく絡む太目の麺、夏はツルツルと食べやすい細麺といったふうに、季節や調理法によりバリエーション豊富な味わいを楽しめるところもポイントです。市内には多くのうどん店が軒を連ねており、それぞれが独自のレシピを開発して味を洗練させています。
「加須のうどん」は小麦栽培の好適地であることに加え、研究熱心な職人気質の店が多いことで発展してきたのです。
加須うどんはテレビにも取り上げられるご当地うどん
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加須のご当地うどんは全国的に有名で、「肉味噌うどん」「きのこ汁うどん」はテレビ番組「秘密のケンミンSHOW」「マツコの知らない世界」でも取り上げられました。
また、加須市内にはテレビで何度も紹介されているお店が複数あります。美味しいと評判の加須うどんをぜひ堪能してみてはいかかがでしょうか。
埼玉B級ご当地グルメ王になった「加須肉味噌うどん」もチェック!
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平成22年11月21日に開催された「第7回埼玉B級ご当地グルメ王座決定戦」で優勝した「加須市みんなで考えた肉味噌うどん」も見逃せません。
ツルツルシコシコの「加須うどん」に肉味噌と温泉卵をトッピングしたもので、各店がさまざまなバリエーションで味を競っています。
今回紹介した8店でも提供しているところがあるので、肉肉しいものが好きな方におすすめです。
6月25日は「加須市うどんの日」

出典:6月25日は『加須市うどんの日』|加須市役所公式サイト
加須市役所は、全国に「うどん」の魅力をアピールすることを目的とし、毎年6月25日を「うどんの日」に制定しました。
日付の由来は、うどんに関する古文書です。加須市不動岡にある由緒ある寺院「總願寺」には、館林藩(現在の群馬県館林市)城主からの加須名物の「饂飩粉(うどんこ)」を賛美する、6月25日付の礼状が残されていたのです。
同じくうどんの名産地であった館林城主から誉められたということに、往時の「うどん粉」のパワーを感じるエピソードです。
加須うどんでおすすめの人気店・有名店8選!
加須のうどん屋は、ほとんどが「温かいうどん」「冷たいうどん」をはじめとする多彩なメニューを楽しめます。全てが名店ですが、迷ってしまったときは以下をチェックしてください。
天皇陛下が来店された冷や汁うどん発祥のお店【子亀】
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味噌・ごま・シソなどをすり潰した香ばしさがたまらない埼玉の郷土料理「冷汁」とうどんを組み合わせた「冷汁うどん」を味わいたいなら「子亀」。
コシの強い「うどん」はもちろんのこと、北海道利尻の「昆布」と鹿児島県枕崎の「鰹節」を煮出した風味の高いスープが特徴です。
10月~4月頃までは、身も心もあたたまる「鍋やきうどん」がおすすめです。暑い季節は、今上陛下もお召し上がりになられた「冷汁うどん」を味わってみませんか?
伝統の手打ちうどんを食べられる【つかさ 加須本店/分店】
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昔ながらの手打ちうどんを賞味したいときは「つかさ 加須本店・分店」。
ピリ辛の「鴨南蛮うどん」「なす南蛮汁」、埼玉B級ご当地グルメ王となった「肉味噌うどん」など、歯ざわりの良い加須うどんが引き立つ、味わい深い一皿を堪能できます。
麺の太さが均一でなく、具がよく絡むところもポイントです。「つかさ 加須本店」で、店主のこだわりがつまった「手打ちうどん」をたっぷりご賞味ください。
数々のメディアに取り上げられたコスパ良し!の人気店【松の木】
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加須うどんを「デカ盛り」で思いっきり食べたいときは「松の木」。
定番の「加須うどん」「そば」に加え、カリっと揚げられた天ぷらがつゆの旨味を吸い込んだ「天丼」「天重」もおすすめです。
こちらのうどんの特徴は、モチモチの歯ごたえ。食べきれるかな?という量も、思わず完食してしまえる魅力です。
「リーズナブルなお値段で加須うどんをたっぷり食べたい」「食べ盛りの子どもに加須うどんをお腹いっぱい食べさせたい」ときは、ぜひメガ盛り・デカ盛りで名高い「松の木」をご検討ください。
加須うどんのテイクアウト専門店【粂蔵饂飩(くめぞううどん)】
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「加須うどんをテイクアウトで持ち帰りたい」「インターネットで加須うどんを注文したい」というときは「粂蔵饂飩(くめぞううどん)」。
2020年6月、レストランからテイクアウト専門店に業態を変更してからは、通販も展開しており、更に知名度が高まっています。
25年の歴史で培った「惣菜」はさすがの味で、つい多めに買いたくなってしまいます。うどんだけでなく、こだわりの「そば」「天丼」「もつ煮込み」もおすすめです。
お昼は本格加須うどん・夜は居酒屋【うどん酒房 たぬき】
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「うどんの名店で、お酒も飲みたい」という方は、「うどん酒房 たぬき」。経験25年の熟練職人が、その日の湿度や温度を見て練り上げた加須うどんを味わえます。
お得なランチメニューも見逃せません。昼は、レギュラーサイズの「うどん」「そば」全てに「ミニうどん」がついたAランチ(マヨ唐揚げ丼ランチ等)・Bランチ(まぐろピリ辛納豆丼等)をリーズナブルに楽しめます。
夜は、雰囲気のある居酒屋として、うどん類に加え一皿料理やおつまみも充実しています。「うどん酒房たぬき」で、銘酒と「加須うどん」のペアリングを堪能してみませんか?
『おもてなし』にもおすすめの名店【久下屋脩兵衛(くげやしゅうべえ)】
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こだわりの手打ちうどんに舌鼓を打ちたいなら「久下屋脩兵衛(くげやしゅうべえ)」。
麺に精通した店主が、その日の気候を見て生地を打った、「うどん」「抹茶冷麦」二種類の「手打ち蕎麦」を味わえる名店です。
ツルツルシコシコの「加須うどん」のみならず、石臼(いしうす)で挽いた風味高い国産蕎麦も見逃せません!
「加須うどんも、こだわりの蕎麦も両方食べたい!」と思ったら「久下屋脩兵衛」へ行きましょう。
加須市内・埼玉県内の食材を取り入れた絶品うどん【こぶし】
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贅沢な食材を用いた、地産地消の逸品うどんを味わいたいなら「こぶし」。
加須市産の「香り豚」「舞茸」、北海道日高の「昆布」をはじめ、厳しい目線で選び抜いた食材を用いた風味が良いうどんが大人気です。出汁を引き立たせる、「本みりん」と特選しょうゆを熟成させた独自の「かえし」もポイントです。
「こぶし」で、埼玉グルメが絶賛するコシのあるうどんを味わってみませんか。
ツルツルのど越しの瑞々しいうどん【福中】
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「不動ヶ岡不動尊 總願寺(そうがんじ)」の参拝帰りは「福中」。
「たぬきうどん」「きつねうどん」「月見うどん」などのオーソドックスなうどんを、コシの強い細麺でいただけます。
「関東三大不動」の一つとして名高い總願寺にお参りして「福中」の加須うどんを味わえば、江戸時代の参詣客の気持ちになれるはず!
「福中」のうどんで、加須の歴史に想いを馳せてみてはいかがでしょう。
加須うどんスタンプラリー・うどんマップ
加須市役所の公式サイトからダウンロードできる「加須うどんスタンプラリー」には、市内にある20店のうどん店が一言コメントと共に紹介されています。
同一店舗でスタンプを10個集めると、「もりうどん」「かけうどん」が一杯サービスされれるところも見逃せません。スタンプラリーをきっかけにお気に入りの一店を見つけ「常連さん」になってしまいましょう!
埼玉「加須」へうどんを食べに行こう!
加須市は、特徴ある店舗が軒を連ねる、埼玉有数の「うどん」の街。近年は加須産小麦「あやひかり」を使用したうどんの製造開発にも取り組んでいます。
「埼玉の郷土料理をもっと知りたい」「最新の埼玉グルメを食べたい」という方は、加須へ行きましょう!

埼玉県戸田市に住む40代女性です。植物、無印良品、和菓子、浦和の蔦屋書店、大宮のecuteを愛してます。