文化庁が認定する100年フードをご存知ですか?
全国各地には、その土地ならではの伝統的食文化や長年受け継がれている郷土料理があり、継承や発展を目的として認定されます。
今回は、埼玉で100年フードに認定されたご当地フードと人気店をご紹介します。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
100年フードとは?
100年フードとは、文化庁が認定した日本各地の伝統的で歴史ある食文化のことです。
例えば、地域の風習や自然環境から誕生したその土地特有の食文化、世代を越えて長年愛されてきた郷土料理など。
条件をクリアした食文化が文化庁の審査を経て「100年フード」に認定され、2021年には131件、2022年は70件が選ばれました。
そして、埼玉では行田「ゼリーフライ」・深谷「煮ぼうとう」・熊谷「妻沼のいなり寿司」「五家宝」・草加「草加せんべい」・狭山地域「狭山茶」が100年フードに認定されています。
100年フード埼玉はコレ!①【ゼリーフライ】行田市
かねつき堂
最初にご紹介する「ゼリーフライ」は、明治時代から続く行田市のB級グルメです。
主におからやジャガイモが使われ、衣をつけずに素揚げしたコロッケのようなもので、行田では昔から、おやつや職人さんが軽食として食べていたと伝えられています。
不思議なネーミングの「ゼリーフライ」ですが、もともと小判の「銭」に形が似ていることから「ゼニフライ」と呼ばれ、次第に「ゼリーフライ」に変わったという説があります。
そして、行田市のシンボル・忍城の近くにお店を構える「かねつき堂」では、ゼリーフライをはじめ、同じく名物の「フライ」や焼きそばなどを提供しています。
お店の敷地内には忍城改築の際に譲り受けた鐘楼があり、休憩所としても利用できます。
このお店のゼリーフライは、おから・ジャガイモ・にんじん・長ネギを混ぜ込みカリッと素揚げをしてから、甘めのソースをたっぷりかけた伝統の一品です。ボリューミーでありながら、おからが多めなのでヘルシー!
お土産や食べ歩きグルメとしてもぴったりな行田市の「ゼリーフライ」を、ぜひ市内観光とともにお楽しみください。
100年フード埼玉はコレ!②【煮ぼうとう】深谷市
いなかうどん めんくい亭
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小麦栽培が盛んだった深谷市発祥の「煮ぼうとう」は、名産「深谷ネギ」をはじめ地元で採れる根菜類をたっぷり使った郷土料理です。
幅広い麺を生の状態で煮込み、とろみのある醤油ベースのスープが特長。深谷市では「煮ぼうとう」または「武州煮ぼうとう」と呼ばれますが、秩父地方では「おっきりこみ」という名称が使われています。
深谷市には煮ぼうとうが食べられるお店がたくさんあり、おすすめは「いなかうどん めんくい亭」。
旧国道140号沿いの静かな住宅地の中にあり、店主さんがひとりで営業しているアットホームな雰囲気のお店です。
店内では「煮ぼうとう」や「かき揚げうどん」などの温かいうどんや「きのこ汁」「肉汁」でいただく「いなかうどん」など、店主さん自慢のうどんが味わえます。
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コシがある手打ちうどんと味がしみこんだたっぷり野菜、熱々のスープが美味しい「煮ぼうとう」は、心も体も温まる一品。すべてのメニューにつく旬の野菜を使った小鉢とともにお楽しみください!
100年フード埼玉はコレ!③【妻沼のいなり寿司】熊谷市
聖天寿し
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「妻沼のいなり寿司」は、江戸時代から続く熊谷地方の伝統的な郷土料理です。2022年に100年フードに認定され「五家宝」と並び熊谷市の名物として知られています。
いなり寿司といえば俵型が定番ですが「妻沼のいなり寿司」は細長い形状が特長。醤油と砂糖で甘辛く煮込んだ油揚げに、酢飯をたっぷり詰めたボリュームのある一品です。
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妻沼聖天の近くにお店を構える老舗の「聖天寿し」は、お持ち帰り用のいなり寿司を販売しています。メディアに出演したこともある人気店で、休日は妻沼聖天山にお参りに来た方や地元の方で行列ができます。
名物のいなり寿司は、ジューシーで甘めに煮た油揚げとさっぱりした酢飯のバランスが絶妙で、大きくても最後まで飽きずに美味しくいただけると好評です。
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さらに、破れてしまった油揚げにかんぴょうが巻かれたいなり寿司が入っていると「当たり」のような感覚になると遊び心も満載。
参拝の記念に、歴史ある100年フードの「妻沼のいなり寿司」を味わってみましょう。
100年フード埼玉はコレ!④【草加せんべい】草加市
山香煎餅本舗
「伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」に認定された草加市の名物「草加せんべい」。
草加せんべいの起源は数百年前と言われ、草加が日光街道の宿場町として栄えていた頃から名物になったと伝えられています。
うるち米100%を使用し、製粉から仕上げまで昔ながらの製法で作られる草加せんべいは、定番の醤油をはじめ「みそ」や「海苔」「ごま」など、種類が豊富です。
草加せんべいの名店「山香煎餅本舗」が草加市内にオープンした「草加せんべいの庭」では、四季折々の草花に囲まれて、100種類ものせんべいやカフェメニューを楽しめます。
せんべいの手焼き体験も予約不要ででき、まさに草加せんべいのテーマパーク!
ベテランの職人さんが備長炭で丁寧に焼き上げた看板商品「天晴(てんはれ)」は、国産の有機米や有機醤油を使用した最高級の草加せんべい。
お米本来の旨味を引き立てた香ばしい風味が特長で、お土産にも喜ばれる一品です。
「山香煎餅本舗」では、草加せんべいの通信販売も行っていますので、ぜひご利用ください。
100年フード埼玉はコレ!⑤【狭山茶】狭山市
狭山茶と楽しみたいスイーツもたくさん
日本三大茶の一つでもある「狭山茶」は、埼玉県西部地域で鎌倉時代から続く歴史ある日本茶です。風味や香りの濃さが特長で、2023年に100年フードに認定されました。
狭山茶の特長を活かしたスイーツやグルメも誕生し、狭山市内の洋菓子店やレストランで販売されています。
例えば「田丸屋菓子店」では、狭山茶ペーストと白あんを混ぜたオリジナルの餡を使った「狭山茶だんご」「シベリア」「どら焼き」を提供。狭山茶の香り豊かな和菓子が味わえます。
また、洋菓子店「パティスリーツェルマット」では、濃厚な狭山茶ペーストを練り込んだ「パウンドケーキ」「マドレーヌ」、ショコラと狭山茶クリームが絶妙な「クラシック」やなめらかな「狭山茶プリン」を販売しています。
さらに「レストラン ニックス」では、狭山茶ペーストを使った上品で深みのある「シフォンケーキ」や旬のフルーツと狭山茶の「ティラミス」が楽しめます。
季節限定の商品も多いので、来店時に取り扱いがあるか否か、お店に問合せてみてくださいね。
狭山茶の香りや風味を最大限に活かしたスイーツ、ぜひ一度味わってみてください!
埼玉が誇る100年フードを味わってみよう♪
今回は、埼玉で100年フードに認定された郷土料理や名店をご紹介してきました。
日本の古き良き食文化が、世代を越えて受け継がれていくことは素晴らしいですね。
ぜひ、歴史ある埼玉の100年フードを味わってみてください!
行田市在住の、webライターです。生まれも育ちも埼玉県!埼玉の魅力を伝えていきたいと思います。