今回は、中山道の宿場町で最大規模に発展した「本庄宿」をご紹介いたします。
本庄宿が繁栄した歴史やぶらり旅におすすめの場所、風情あるお店でのおすすめランチをお届けしていきます。
中山道の宿場町シリーズ最後になる本庄宿を、ぜひお楽しみください。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
#中山道六十九次 #宿場町 #ぶらり旅
本庄宿の歴史
本庄宿は、江戸時代に栄えた中山道の69ある宿場の一つで、江戸から十番目の宿場です。武蔵国最後の宿場である本庄宿は、1843年には人口4,554人、家数1,212軒、旅籠70件、本陣2軒、脇本陣3軒もの「中山道最大規模の宿場」に発展しました。
本庄宿が栄えた理由は、主に3つあります。
江戸時代に作られた「豪商番付表」には、本庄宿の豪商3名が名を連ねています。このことからも、本庄宿が大宿場町であったことが分かりますね。
さて、実際に訪れて当時を感じてみるのはいかがでしょうか。このあと、本庄宿ぶらり旅におすすめの場所をご紹介していきます。
本庄宿ぶらり旅におすすめの場所
本庄には、歴史とともに守られてきた貴重な文化財が数多くあります。
ここでは、本庄宿ぶらり旅にぴったりの、歴史を感じる場所をご紹介いたします。
大正院(だいしょういん)
まずは、JR本庄駅から徒歩7分ほどの「大正院(だいしょういん)」です。大正院は、「武州本庄七福神めぐり」の一つ、銭洗弁財天を祭っています。
1583年に開山し、本庄城を築いたときの裏鬼門として建てられたのがはじまりです。
江戸時代後期の成田詣が盛んだったころ、本庄でも成田詣ができるよう、成田山本尊の分霊を不動堂に安置しました。不動堂が1867年に建立されたときに納められた「不動剣」は、市の文化財に指定されています。
毎年4月28日に行われる「大正院成田山不動尊大祭」は、護摩が焚かれ、家内安全、商売繁盛などのご利益がある大祭です。
そうした歴史がある不動堂の一方で、1965年に新築された本堂は、寺院での現代建築先駆けとして、雑誌に取り上げられました。
本堂と相対する不動堂、見比べるのもいいですね。
金鑚神社(かなさなじんじゃ)
つづいては、中山道本宿の総鎮守「金鑚神社(かなさなじんじゃ)」です。金鑚神社は、JR本庄駅から徒歩18分ほどの旧中山道沿いにあります。
541年に創建した由緒ある神社で、社殿は本殿と拝殿を幣殿でつなぐ、複合式が特徴です。
ここでの見どころは数多く、まずは御神木からご紹介いたします。鳥居をくぐって右側にある見事な枝ぶりのクスノキが、埼玉県指定文化財の御神木です。
ぜひ、御神木の下に立って見上げてみてください。
樹齢は380年以上、幹回り6m、樹高約30mもあるクスノキを見上げると、大きく枝を広げる御神木がやさしく包んでくれるような、安心感があります。
また、市指定文化財である樹齢約400年のカヤや、1814年建立の大門なども見ごたえがありますよ。
そして、社殿は鮮やかな朱色に細やかな彫刻が美しく、江戸時代に本庄宿で活躍した画家による天井画も施されています。
また、北関東随一の伝統あるお祭り「本庄まつり」が、毎年11月2日、3日に行われます。10基ある山車は、そのうち8基が市指定文化財です。100年以上前に建造された豪華な山車が旧中山道を盛大に巡行する様子は、多くの人を楽しませています。
寺坂橋 (てらさかばし)登録有形文化財(建造物)
つづいては、JR本庄駅から歩いて約14分、住宅が建ち並ぶ小道を進むと見えてくる「寺坂橋(てらさかばし)」です。うなぎ屋「ふじ井」のすぐそばにある橋ですので、目掛けていくと分かりやすいですね。
この橋は、一見、ごく普通の橋に見えます。地元の人たちが日常的に徒歩や自転車で通り、車も通行していきます。
何気なく架かる「寺坂橋」ですが、じつは車も通行でき、現在も使用している石造アーチ橋として、埼玉県内最古の貴重な橋です。
この橋は、1889年に、本庄と伊勢崎を結ぶ道路橋として建設されました。そして、2008年に、国の登録有形文化財に指定されています。
川岸のベンチに腰掛け、川のせせらぎを聞きながら寺坂橋を眺める、風情あるひとときはいかがでしょうか。
創業永禄三年 陶磁器 戸谷八商店
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つづいての「戸谷八商店(とやはちしょうてん)」は、本庄宿の象徴的存在です。戸谷八商店は、1560年の創業から460年以上、陶磁器を販売しています。安土桃山時代、桶狭間の戦いと同年代に創業していることに驚きますよね。
1560年、初代戸谷八郎左衛門が本庄に移り住み、そこから本庄宿の開発に携わり、陶磁器や砂糖、小麦などの問屋のほか、さまざまな事業を行っていました。また、多くの社会貢献をしていたことでも有名です。
代々同じ場所で、本庄宿開発当初と変わらない間口約45m、奥行約90mの建物を守り続け、450年以上、商店を受け継いでいます。店内に入れば、当時の雰囲気を感じられるでしょう。
代々受け継いでいるのは商店だけでなく、本庄宿の歴史を伝え続け、中山道本庄宿の素晴らしさを未来へと繋いでいます。
戸谷八商店は、埼玉県内最古の企業(東京商工リサーチ認定)です。戸谷八商店の発展こそが、本庄宿が最も栄えていたことを表しているでしょう。
レトロ感漂う 本庄でランチにおすすめのお店
ここからは、中山道本庄宿のぶらり旅らしい、日本の古き良き文化を感じられるおすすめのランチスポットを3店舗ご紹介いたします。
蔵カフェで本庄の郷土料理つみっこが食べられる【cafe NINOKURA (カフェニノクラ】
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JR本庄駅から歩いて16分ほどの旧中山道沿いに、3つの蔵が並ぶ「本庄・宮本 蔵の街」があります。そこの二つめの蔵(ニの蔵)が、今回最初にご紹介する「cafe NINOKURA(カフェニノクラ)」です。「cafe NINOKURA」は、「二の蔵」から店名がつけられました。
「本庄・宮本 蔵の街」周辺は、中山道の宿場町として栄えたころには旅籠屋の穀屋があり、明治時代末期から2010年までは、埼玉の有名な地酒「力士」を販売する小森商店の蔵でした。
その伝統的な蔵を引き継ぎ、2010年にオープンした「cafe NINOKURA」は、故郷に帰ってきたような居心地の良さが魅力です。
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ほっとする店内では、ぜひ「つみっこ膳」を味わってみてください。「つみっこ」は本庄の郷土料理。地元の野菜をふんだんに使った「すいとん」のことです。本庄で昔から親しまれている「つみっこ」は、身体にすっと入っていく優しい味で、心も体もほっこり温まります。
レトロな空間で昔ながらの料理を味わう、本庄宿ぶらり旅にぴったりのランチですね。
隠れ家的な雰囲気の中で美味しいお蕎麦が食べられる【季節の料理と蕎麦 ろ】
つづいては、こだわりのそばと旬の食材を堪能できる「季節の料理と蕎麦 ろ」です。
JR児玉駅から車で5分ほど、県道沿いの田畑が広がるエリアで、木々に囲まれた場所が目に留まります。そこが「季節の料理と蕎麦 ろ」です。
通りから目立つ看板が見えませんが、風情ある佇まいに吸い込まれていきます。趣ある日本家屋と庭園を眺めているだけで、心が落ち着いてきますよ。
こだわりのそばは細くてツヤがあり、つるつるとした喉ごしが心地よい、五感が潤う味わいです。また、そばがきやだし巻き卵の定番から、季節の野菜や旬の魚を使った一品料理も充実し、四季の風情を感じます。
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なかでもランチにおすすめしたいのが、コース料理の「平日お昼のおすすめ料理」です。前菜5品からはじまり、サラダ、かき揚げ、そば、そしてスイーツもついています。「季節の料理と蕎麦 ろ」の魅力がつまったランチですね。
また、レジ前で販売するそば粉を使ったスイーツにも注目してください。そば粉を100%使った手づくりの「蕎麦のバウンドケーキ」は、しっとりとしてふわっした甘さがおすすめです。
【季節の料理と蕎麦 ろ】の分店 【季節の料理と蕎麦 ら】もおすすめ!
「季節の料理と蕎麦 ろ」の美味しさを違った雰囲気で愉しめる、分店の「季節の料理と蕎麦 ら」もおすすめです。
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「季節の料理と蕎麦 ら」は、本庄児玉ICから車で5分ほど、木々に囲まれた静かな場所にあります。森の中に溶け込むように佇むお店に一歩入ると、山小屋に来たようなほっこりする空間が広がります。
大きな窓から見える景色は四季ごとに表情が変わり、訪れる人を癒してくれます。また、目の前に広がる景色を眺めながら、ゆったり過ごせるカウンター席は、素敵なひとり時間を過ごせるおすすめの場所です。
おせいろが500円(税込)と低価格なのも魅力ですね。そのほかにも、温かい蕎麦と冷たい蕎麦の種類が豊富なのも人気を集めています。
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店内の雰囲気と見える景色が違うと、そばの味わいも違って感じるかもしれませんね。「ろ」と「ら」を食べ比べたくもなります。
「季節の料理と蕎麦 ろ」では、そばを音楽と愉しむライブイベントも開催しています。ぜひホームページをご覧になってみてください。
中山道の宿場町【本庄宿】で情緒を感じよう
いかがでしたか?
今回は中山道の宿場町本庄宿をお届けいたしました。中山道の埼玉にある宿場町シリーズ、最後にふさわしい魅力ある街ですよね。今回ご紹介した以外にも、七福神めぐりができる寺社や文化財が数多くあります。
ぜひ、本庄宿をぶらりとして、新たな魅力を発見してみてください。
埼玉で生まれ育ち、40年以上埼玉に住む、生粋の埼玉人です。埼玉の魅力を楽しく発信していきます!