都心へアクセスしやすい一方、都内より家賃が安く、自然を多く感じることができるなど「住みやすい街」として人気のさいたま市は、個性豊かな10の区で構成されています。
今回は、さいたま市10区の特徴や魅力を見ていきましょう。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
さいたま市の10区を一覧で見てみよう!
まずは、さいたま市10区の名称を一覧で確認してみましょう。
2001年、浦和市・大宮市・与野市が合併して誕生したさいたま市。
2003年には旧大宮市域に西区・北区・大宮区・見沼区が、旧与野市域に中央区が、旧浦和市域に桜区・浦和区・南区・緑区がそれぞれ設置され、さらに2005年に岩槻市を編入して岩槻区としたことで、現在の区制が施行されるようになりました。
各区の特徴を活かした街づくりが進められていることはもちろん、各区を象徴する「花」を決めて活用することで緑化を推進するなど、10区それぞれで様々な取り組みがなされています。
さいたま市10区の特徴やおすすめ観光スポット
それぞれ異なる個性を有する「さいたま市10区」。各区の特徴やおすすめの観光スポットを見てみましょう。
水と緑に恵まれた自然豊かなエリア【西区】
さいたま市西区は、水と緑に恵まれた自然豊かなエリアです。
区内には荒川、鴨川、桜並木が整備されたびん沼川などといった川が流れ、緑地や田園地帯が多く存在しています。
また、東部の三橋総合公園、西部の西遊馬公園、北部の秋葉の森総合公園および大宮花の丘農林公苑をはじめ、西区の豊かな自然を存分に活かした大型の公園の存在も目立つため、「のどかな環境でのんびり子どもを育てたい」というファミリーにも人気です。
このように、自然豊かなエリアである西区ですが、交通網も充実しています。
まず、電車については2009年、西区役所前にJR川越線の新駅・西大宮駅が開業したことで、利便性が向上。
車についても、そばを通る西大宮バイパスや大宮バイパスの存在により、多方面へアクセスしやすくなっていますよ。
区の花はアジサイで、毎年6月に開催され、380種類を超えるアジサイが楽しめる「指扇アジサイまつり」も見逃せないイベントと言えるでしょう。
商業・公共施設が充実した住みやすいエリア【北区】
さいたま市北区は、商業・公共施設が充実した住みやすいエリアです。
区内をJR高崎線・宇都宮線・川越線、さらにはさいたま新都市交通という4つの路線が走る利便性の高さから大型マンションの開発が進み、人口が増えつつある北区。
ステラタウン大宮やイオン大宮店など、大規模なものを含む商業施設が充実しているため、大変暮らしやすいエリアとなっています。
一方で、自然までしっかり満喫できるのも北区の特徴と言えるでしょう。
一例として、西部に位置する鴨川沿いの「三貫清水」には、多種多様な野草や野鳥が生息し、夏にはホタルを観察することも可能。
また、世界初の公立盆栽美術館である「大宮盆栽美術館」では、さいたま市の伝統産業でもある盆栽の奥深さを味わうことができます。
区の花は菜の花となっており、東部に位置する「見晴公園」で3月下旬~4月上旬頃に見られる菜の花・桜・風車の共演は一見の価値ありですよ。
商業と文化が発達した活気あるエリア【大宮区】
さいたま市大宮区は、商業と文化が発達した活気あるエリアです。
最大の特徴は、何といっても「大宮駅」の存在でしょう。
在来線だけでなく新幹線も停車する全国有数のターミナル駅を中心に、商業施設やオフィスビルが多数立ち並んでおり、交通面でも生活面でも利便性は抜群です。
一方で、豊かな歴史文化を体感できるのも、大宮区の特徴。
例えば、大宮区には大宮駅のほか、JR東日本の大宮総合車両センターや鉄道博物館などがあることから、「鉄道の街」としても人々に親しまれています。
また、大宮駅から徒歩15分ほどのところに位置する大宮氷川神社は、2,400年以上の歴史をもつと言われ、初詣には200万人以上の参拝者でにぎわう由緒正しい神社です。
なお、区の花は桜。大宮氷川神社に隣接する「大宮公園」は、全国の「さくら名所100選」に選抜されるほどの桜の名所として知られていますよ。
住環境と自然の魅力が共存したエリア【見沼区】
さいたま市見沼区は、住環境と自然の魅力が共存したエリアです。
見沼区では古くから沼地を活かした農業が営まれており、東部を流れる綾瀬川や南西部を流れる芝川沿いには、現在も河川に沿って豊かな農地や緑地が残っています。
東部を流れる用水路・見沼代用水東縁沿いには、行田市から川口市をつなぐ自転車歩行者専用道路・緑のヘルシーロードの一部がかかっており、自然を肌で感じながらサイクリングやハイキングをするのにぴったりです。
一方、北部に広がるのは計画的に形成された市街地。
市街地の中心地とも言える東大宮駅周辺には、スーパーや飲食店など、生活に必要なものがひととおり揃っており、大変便利なエリアとなっています。
なお、見沼区の花・クマガイソウは、さいたま市の天然記念物にも指定されている大変貴重な花。
見沼区御蔵の民家にある竹林で自生している大型の野生ランで、例年4月下旬頃には可憐な花を咲かせます。
芸術やエンタメの創造・発信を続けるエリア【中央区】
さいたま市中央区は、芸術やエンタメの創造・発信を続けるエリアです。
人気アーティストのコンサートなどの大型イベントが行われる「さいたまスーパーアリーナ」や、音響家が選ぶ優良ホール100選にも選ばれている「彩の国さいたま芸術劇場」は、その象徴的な存在と言えるでしょう。
中央区はさいたま市の中で最も狭い8.39㎢という区域。都市基盤の整備が進み、広域で市街地が形成されている一方で、蔵造り住宅をはじめ、江戸時代の街並みが残るエリアがあるなど、文化的な側面も多々残されています。
このような「近代的な都市空間と芸術的・文化的風情の共存」こそが、中央区最大の魅力であるという訳です。
なお、区の花はバラとなっており、区内のあちこちにバラが植えられています。
「与野公園」は約3,000株ものバラを楽しめる、特に有名なバラの名所で、毎年5月中旬頃にバラまつりも開催されますよ。
自然と文化が調和したエリア【桜区】
さいたま市桜区は、自然と文化が調和したエリアです。
西部を流れる荒川の流れによって育まれた自然環境に恵まれており、県営の公園としては最大規模を誇る「秋ヶ瀬公園」をはじめ、自然を活かした公園が多数存在しています。
秋ヶ瀬公園は野鳥の観察スポットとしても有名で、3月~4月頃には多くの渡り鳥も目にすることができますよ。
一方、JR埼京線・武蔵野線の2線が走る南東部には住宅街が広がっていますが、古墳群や神社仏閣といった歴史・文化資源も点在。
「神田の祭りばやし」「宿の祭ばやし」「田島の獅子舞」など、伝統的なイベントも多数開催されています。
また、区の花はさくら草で、南部に位置する「桜草公園」の中にはさくら草の自生地があり、国の特別天然記念物に指定されています。
春には多くの人々でにぎわう「さくら草まつり」も開催されますよ。
芸術に関する施設も多い文教エリア【浦和区】
さいたま市浦和区は、芸術に関する施設も多い文教エリアです。
文教エリアと呼ばれる理由は、県内有数の公立進学校が多く存在しているためで、教育熱心な家庭が「子どもを浦和区の小中学校に通わせたい」という理由で引っ越しをしてくるほど。
「埼玉県立近代美術館」「さいたま市青少年宇宙科学館」「浦和駒場スタジアム」があり、日ごろから芸術・宇宙科学・スポーツなどと触れ合う機会が多いのも嬉しいポイントです。
生活面でも利便性が高く、主要駅である浦和駅の周辺には商業施設や飲食店が充実。
さらに、埼玉県庁・埼玉県警・裁判所といった各種機関も集まっているため、行政面でも、さいたま市はもとより埼玉県の中心的存在であると言えます。
区の花は、初夏から晩秋まで色とりどりの花を次々に咲かせるニチニチソウで、浦和区のにぎやかなイメージにぴったりです。
市内最大の人口を有するエリア【南区】
さいたま市南区は、市内最大の人口を有するエリアです。
さいたま市10区の中で最も東京都に近く、南北にJR埼京線と京浜東北線、東西にJR武蔵野線が走っているという利便性の高さから、土地の50%以上が宅地として利用されています。
中でも中心地である武蔵浦和駅周辺では再開発が行われたこともあり、高層マンションや大規模商業施設が立ち並び、若者にも人気で、大変活気のある雰囲気です。
千葉ロッテマリーンズの2軍球場である「ロッテ浦和球場」や「浦和競馬場」があるため、スポーツと触れ合う機会も多くありますよ。
一方で、釣りも楽しめる「別所沼公園」や、冬はスケートリングとしても使用できるプールを備えた「沼影公園」など、豊かな自然を満喫できる大規模な公園も複数存在しており、人々の憩いの場となっています。
別所沼公園から南に続く「花と緑の散歩道」は、桜やアジサイといった四季の花を楽しみながらの散歩に最適ですよ。
区の花は、区の色であるレモン色にちなんだ花・ヒマワリ。
南区の若々しく元気なイメージによく合っていますね。
緑が多く季節の移ろいを楽しめるエリア【緑区】
さいたま市緑区は、緑が多く季節の移ろいを楽しめるエリアです。
区の中央部には「見沼田んぼ」を中心とした緑地が広がっており、四季折々の顔を覗かせてくれます。
「大崎公園」内の植物園や、「見沼氷川公園」内のハーブ園でも、季節ごとに異なる植物を観察することが可能です。
一方、浦和美園駅を中心とするエリアでは、区画整理事業が進み、美しい住宅街が広がっています。
日本最大規模であり、アジア全体で見ても最大級の規模を誇るサッカースタジアム・埼玉スタジアム2002があるのもこのエリア。
サッカーの試合はもちろんのこと、季節に応じた様々なイベントが開催されており、にぎやかです。
区の花は桜で、区内には桜を楽しめるスポットが複数ありますよ。
城下町の伝統が息づく人形のエリア【岩槻区】
さいたま市岩槻区は、城下町の伝統が息づく人形のエリアです。
なぜ人形づくりが盛んになったのか、そのきっかけは江戸時代、日光東照宮の造営に関わった優秀な工匠たちが、宿場町であった岩槻エリアに住みつき、人形づくりを広めたことでした。
現在も人形師によって丁寧に手作りされている「岩槻人形」は、国指定の伝統的工芸品に指定されています。
ひな祭りに関するお祭りがあったり、岩槻人形博物館があったりと、人形の街ならではのイベント・スポットも多数ありますよ。
また、岩槻区にはかつて岩槻城があったことから、現在も区内のあちこちで城下町の面影を感じることができます。
このように、落ち着いた住宅街と歴史・伝統が融合している点が、岩槻区最大の魅力と言えるでしょう。
なお、区の花には、岩槻城を築城したとされる太田道灌の「山吹伝説」にちなみ、山吹が選出されました。
それぞれが個性的で魅力的!さいたま市10区
さいたま市10区の特徴や魅力をご紹介しました。
さいたま市は全体的に大変住みやすいエリアで、「令和4年度さいたま市民意識調査」では、「住みやすい」と思う人の割合が87.2%、「住み続けたい」と思う人の割合が87.1%となり、それぞれ過去最高を更新。
しかし、特徴や魅力は区ごとに異なるので、本記事の内容を参考に、あなたの理想にかなう区を見つけてみてくださいね。
埼玉生まれ・埼玉育ちのママライター。埼玉県の魅力を余すことなくお伝えすべく、丁寧な執筆を心がけています。趣味は、子供たちとあちこちお出かけすることです♪