さいたま市に、世界に誇る盆栽の美術館があるのをご存じですか?世界的な盆栽ブームということもあり、国内外からお客様が訪問しています。
今回は大宮盆栽美術館の館内と屋外エリアを取材し、国際交流員のハリー・タートンさんにインタビューをさせていただきました♪
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
世界初!公立の盆栽美術館がさいたま市に!
大宮盆栽美術館
JR宇都宮線「土呂駅」下車、東口より徒歩5分の住宅街の一角に大宮盆栽美術館はあります。こちらは、2010年に盆栽を学べる美術館として開館いたしました。
この先にある大宮盆栽村へ行く前に知識を深め、盆栽の奥深さを味わってもらいたいという気持ちも込められ造られました。
敷居が高そう!と盆栽村へ行くのを躊躇していた方も、こちらで少し盆栽を学んだ上で村を訪問できるのが嬉しいですね。
こちらのロビーでは、ウェルカム・ミュージアム!と称して展示ツアーガイドを行っています。
サポーターの方がロビーやコレクションギャラリーを案内し、盆栽の見方や知識について説明してくれるので、盆栽初心者さんでも安心。毎週月曜日・土曜日・日曜日に開催しています。(サポーター不在のため開催しない日もあります)
また、国際交流員による英語によるガイドも受けることができますよ!週2回行っているので、実施曜日と時間をホームページで確認して是非参加してみてくださいね♪
その他にも、団体ガイドやスマートフォンを利用した盆美eガイドなどもあるので用途に合わせてご利用ください。
では、室内のコレクションギャラリーを見ていきましょう。
こちらでは季節、期間限定で美術館のコレクションをご紹介しています。取材に訪れた8月下旬は、水石が展示されていました。自然の石の姿に、山河の風景を重ねて鑑賞します。
静かな室内で心を無にして作品を見ていると、なんだか感性が研ぎ澄まされ、自分の心が作品に反映されて見えてくるような気になりますよね。
心をまっさらにして、ふっと立ち止まって考える時間がほしい…なんて方にもおすすめな展示が多数ありますよ♪
また盆栽の知識や歴史などを簡単にわかりやすくパネルによって学べるので、興味がある方はじっくりと読んでみると面白いですよ。
初心者の方は、盆栽の奥深さと醍醐味を味わえるチャンスですね!
奥には、座敷飾りという展示室があります。こちらでは、来客用に使用されてきた3種類の畳の間にいかに盆栽が飾られるのかを学べます。
江戸時代に、座敷を「真」「行」「草」の格式に分けるようになり、お客をもてなす空間として重要な役割を果たしていきました。
それぞれの部屋に合わせた飾り方が工夫されており、3つの部屋の違いを見つけ考察すると面白いですよ。
メインである盆栽庭園には、常に約70点の盆栽が展示されています。
盆栽ってあまり変化がなさそう…と思っている方も多いのではないでしょうか?実は季節ごとに様々な顔を見せてくれて、その変化を楽しむことができます。
特に落葉樹は開花や紅葉、結実など四季折々の移ろいが目に見えてわかるので、日本の風情を感じられると人気があります。
盆栽の中には、推定樹齢100年から1000年のものもあります。歴史的に重要な役割を果たしてきた盆栽も多々あります。
向かって左の黒松は早稲田大学の創設者である、大隈重信が愛蔵していたと伝えられています。時を経て、日本の歴史上の人物と同じ盆栽を眺められる不思議な体験ができますね!
盆栽は長い歴史の中で培われてきた日本独自の芸術であり、その奥深さに魅了されることでしょう。
たくさんの盆栽の中からお気に入りを探して見てくださいね♪
大宮盆栽美術館の国際交流員にインタビュー
ハリータートンさんの自己紹介
「大宮盆栽美術館、国際交流員のハリー・タートンです。日本ではタートンと呼ばれています。
出身地はイギリス北部、マンチェスターの近くです。イギリスの大学で日本語学科を専攻し、北海道大学へ1年間留学して日本語や歴史、文化などを学びました。
その後、日本の施設で働けるということで国際交流員の仕事に応募し、大宮盆栽美術館に配属されました。」
大宮盆栽美術館で働く前から、日本語を習得されていたというタートンさん。日本語で盆栽のガイドをしていただきましたが、流暢なのはもちろんのこと盆栽固有の用語をわかりやすく教えていただきました。
それにしても、盆栽について全く何も知らないまま大宮盆栽美術館に配属になったタートンさん。最初はどのような気持ちだったのでしょう。
盆栽に無知のまま大宮盆栽美術館のスタッフに!?
「盆栽どころか、植物にも興味がなかったので大宮盆栽美術館に配属された当初はびっくりしました。興味はなかったけどポジティブにやってみよう!という気持ちで盆栽を一から勉強し始めました。
働き始めたころはコロナ禍だったこともあり、来客も少なく時間があったので運よく勉強する時間を設けられました。」
日本で配属された先が、盆栽の美術館でさぞかしびっくりしたでしょうね!でもそこで、コロナ禍をプラスに転じて盆栽を学び始めたタートンさん。
与えられた環境で最善を尽くすという言葉がぴったり当てはまるようなお人柄でありました。
仕事のやりがいと大変なところ
「やりがいと大変さは紙一重で、盆栽の勉強ですね。盆栽の専門用語を工夫して英語に表現するために、英語と日本語でどちらでも勉強しなくてはなりません。
大変さはあり苦労することもしょっちゅうですが、乗り越えた時の達成感が大きくそれが励みになってます。盆栽の勉強は奥が深いので一生、勉強が必要な仕事ですね。」
勉強熱心で真面目なお姿が非常に印象的だったタートンさん。「一生、勉強。生涯、勉強」とおっしゃっていた、そのお言葉がお人柄を表しているように思えます。趣味が読書というのも納得がいきました。
国際交流員後は何をしたいですか?
「日本文化に関わる仕事がしたいですね。是非、培った知識を利用して何かできたら良いなと考えてます。盆栽は趣味として関わっていけたら良いですね。」
日本の歴史、文化に精通して学ぶことに前向きな姿勢のタートンさんの言葉からは、日本が好きという以上に日本の文化を普及させていきたいという気持ちが垣間見えました。日本人としてタートンさんの今後を是非、応援していきたいですね♪
盆栽美術館で新たな発見を!
きっかけは何でも大丈夫◎馴染みがなくても、好奇心さえあればガイドさんが親切に盆栽について教えてくれるそんな美術館でした。
少し涼しくなってきたら、じっくりと屋外の盆栽を眺められるチャンスですね。是非、この秋に新しい趣味を大宮盆栽美術館で見つけてみてはいかがでしょう♪
好奇心旺盛、お出かけ大好きな主婦ライターです♪日焼け対策を徹底しながらも、攻めの姿勢で取材に向かいます!他県出身だからこそわかる埼玉の魅力を、様々な角度からお伝えしていくのでお楽しみに♡