埼玉県のうなぎは、実は江戸時代から愛され続けている、歴史のある逸品です。
当時の行楽客を唸らせた味は、200年以上経った今でも受け継がれ、親しまれています。そんな埼玉県では、おいしいうなぎを出す名店も数多く誕生してきました。
今回は、なかでも特に評判の名店15選をご紹介します。これを読めば、ハズレなしの店選びができますよ。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
さいたま観光大使「浦和うなこちゃん」とは?
「浦和うなこちゃん」は、浦和のうなぎをPRするために生まれた、マスコットキャラクターです。デザインは「アンパンマン」でおなじみの漫画家、やなせたかしさんが務めました。
このようなキャラクターがいることからも、埼玉県のうなぎが有名であることがわかります。
「浦和うなこちゃん」は現在、さいたま市の魅力を広めるために設置された「さいたま観光大使」にも選ばれ、埼玉県各地のイベントなどで活躍中です。
JR浦和駅西口には石造も建てられていますので、近くにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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埼玉県の浦和にはうなぎの名店がたくさん♪

古くからうなぎの蒲焼を振るまう店が集まっていた浦和では、現在も「浦和のうなぎを育てる会」によって伝統の味が守られています。もちろん、名店も多いです。
ここでは、特に評判の5店を紹介します。
【浦和】鰻(うなぎ) むさし乃
「鰻(うなぎ) むさし乃」は、浦和で60年続く老舗です。こちらでは、新仔と呼ばれる、稚魚から同じ池で育てられたうなぎを使用しています。
鰻重のメニューは、なんと「1種類」のみ。鰻の白焼もありますが、鰻重と白焼の他にはうなぎ料理のメニューがありません。
しかし、浦和では抜群の人気を誇っています。
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その理由は、丁寧にふっくらと仕上げられたうなぎに病みつきになるから。小骨も綺麗に取り除かれているので、とろけるような食感を楽しめるんです。
また、備長炭で時間をかけて焼き上げられているので、香りも良く食欲をそそられます。
臭みもなく、しっかりと脂がのったうなぎは絶品です。鰻重のタレは濃いめなので、苦手な方は調整すると良いですよ。
有名店ですが、予約ができるのは平日のみです。土日祝日と繁忙期は予約不可なので、注意しましょう。
鰻(うなぎ) むさし乃の詳細はこちら
【浦和】山崎屋
「山崎屋」は、新聞や雑誌、テレビなどで多数紹介されている名店です。看板メニューの鰻重は、甘さのない辛めのタレが人気となっています。
うなぎの臭みもなく、しっかりと蒸して柔らかく仕上げられた身の食感がたまらない逸品です。
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さらに「共水うなぎ」という、静岡県焼津市にある株式会社共水が養殖を行っているうなぎを使った、高級な鰻重もあります。
この「共水うなぎ」は豊かな風味が特徴で、美味しくて安全であると評判のうなぎです。「共水うなぎ」は入荷がない日もあるので、注意しましょう。
鰻重の他にも、うなぎを卵で包んで焼いた「うまき」など、おつまみ料理が豊富です。宴会用のコース料理も用意されているので、様々なシーンで食事を楽しめますよ。
山崎屋の詳細はこちら
【南浦和】小島屋
「小島屋」は、風情ある民家のような佇まいのお店です。特徴的なのは、他店とは異なったうなぎの調理方法。うなぎは、そのふっくらとした食感を出すために、蒸す工程があるのが一般的です。
しかし「小島屋」のうなぎは、蒸す工程がありません。代わりに、うなぎを白焼きした後、熱湯で茹でます。
こうすることで、蒸した時とはまた違った、プリっとした張りのある食感も楽しめるようになるんです。
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もちろん、身には厚みもあるので、フワフワ感も味わえます。やや甘めに仕上げられたタレと絡めれば、一口で虜になってしまうこと間違いなしです。
さらに「小島屋」には個室も用意されており、宴会利用も可能。コース料理では、様々なうなぎ料理が用意されています。
お土産用の蒲焼や鰻重の販売もされているので、ご家庭でも伝統の味を楽しめますよ。
小島屋の詳細はこちら
【浦和】うなぎの満寿家(ますや)
「うなぎの満寿家(ますや)」は、鰻重だけでなく、ひつまぶしも人気のうなぎ店です。
「満寿家」のひつまぶしは香りにこだわっており、山椒やわさびなど、うなぎの風味も際立たせてくれる薬味が用意されています。
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鰻重も、ふっくらと仕上げられたうなぎと辛すぎないタレがマッチし、大満足できる一品。
入荷がある時は、味わいが良く栄養価も高い「坂東太郎」といううなぎを使った鰻重も注文できます。メニューにはコース料理もあるので、宴会などでも利用可能です。
お得なランチもあります
うなぎ料理といえば価格が高いイメージがありますが、こちらのランチは税込1,600円と、とても手頃な値段です。ランチは、日曜日・祝日を除いて、営業日の11:00〜14:00で実施されています。
この機会に、ぜひうなぎを味わってみてはいかがでしょうか。
うなぎの満寿家(ますや)の詳細はこちら
【浦和】うなぎ処古賀
「うなぎ処古賀」はメディアでも多数取り上げられている、本格的な江戸前の蒲焼を楽しめる名店です。開業から11年間は西浦和駅に店を構えていましたが、2020年9月に浦和へ移転しました。
店内はオープンキッチンになっていて、うなぎを焼いているところも見学可能です。
取り扱っているうなぎは、産地からこだわり抜いたもの。毎日新鮮なものを取り寄せているので活きが良く、味も損なわれることがありません。
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実は「うなぎ処古賀」では、全ての工程を丁寧に手作業で行っています。
そうして焼き上げられたうなぎは皮がとろけるように柔らかく、旨みのある脂のみが残るので、深い味わいが楽しめるんです。
お得なランチもあります
ランチは、営業日の11:30~14:30で行なわれており、価格は税込1,980円です。美味しいうなぎが手頃な価格で食べられるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
うなぎ処古賀の詳細はこちら
埼玉県の観光スポット”川越”にはうなぎの名店がたくさん!

埼玉県の人気観光スポットである川越でも、うなぎの名店は多数あります。着物をレンタルして歩いてみると、風情があって良いですよ。
ここでご紹介するのは、特に有名な6店です。
【川越】いちのや
「いちのや」は天保3年に創業し、当時から変わらない秘伝のタレを継承し続けている老舗です。
うなぎの蒲焼は、白焼きをせずに生のまま蒸すという、他店にはないオリジナルの製法で焼かれています。そのため、肉厚でふっくらとした食感が楽しめるんです。
じっくり焼かれたうなぎは臭みもなく、うなぎ本来の上品さを味わえる仕上がりになっています。
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鰻重の他にはひつまぶしもあり、こちらも人気のメニューです。薬味はうなぎとの相性が良いものだけが揃えられ、風味まで美味しくいただけます。
実は「いちのや」の店舗は、神泉と西麻布にもあります。チェーン展開されているほどですので、その味はもちろんお墨付き。
川越店には広い駐車場も完備されているので、車でも訪問しやすいですよ。
いちのやの詳細はこちら
【川越】うなぎ 小川菊(おがきく)
「うなぎ 小川菊(おがきく)」は、創業以来ずっと川越でうなぎを提供し続けている名店です。
現在の店舗は大正時代に建てられたもので、川越市の「都市景観重要建築物寺」に指定されていることからも、長い歴史があることがうかがえます。
うなぎは、背開きをしてから蒸して焼くという、伝統の関東風の蒲焼。
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甘めながらも甘すぎない、絶妙なバランスのタレと絡めることで、自然と箸が進みます。炭でこんがりと焼かれた皮はパリっと、身はふっくらと仕上げられており、絶品です。
鰻重の他にも、うなぎを使った一品料理が豊富に取り揃えられています。うなぎを様々な形で味わいたい方には、ぜひ一度訪れてほしいお店です。
店舗の1階部分はバリアフリーになっているので、車椅子の方や足が悪い方でも訪問しやすくなっています。店内も広いので、ゆったりと料理を楽しめますよ。
うなぎ 小川菊(おがきく)の詳細はこちら
【川越】ぽんぽこ亭
「ぽんぽこ亭」は、週末は常に行列ができるほどの人気店です。
美味しいうなぎが比較的リーズナブルな価格で食べられることもあり、コスパが良いと評判になっています。鰻重の値段を他店と比べてみると、その差は一目瞭然。
通常、6,000~7,000円近くするボリュームの鰻重が、なんと税込5,060円で食べられるんです。
鰻重のうなぎは香ばしく焼き上げられており、濃い目のタレにも食欲がそそられます。粗挽きの山椒を振りかけると、さらに風味が増すのでおすすめです。
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ご飯は無料で大盛りにもできるので、たくさん食べる方でも満足できます。
また、駐車場もあり、車での来訪が可能です。家族でも恋人同士でも、全員でお腹いっぱいうなぎを楽しめますよ。
ぽんぽこ亭の詳細はこちら
【本川越】東屋
「東屋」は、高級旅館を思わせる店内でゆっくりうなぎを楽しめる、知る人ぞ知る名店です。
現在はコロナウイルス感染対策として、全席を個室での提供にして営業しています。
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人気のメニューは、やはり鰻重。鰻重は1尾を贅沢に使っており、身はホロホロになるほど柔らかく焼き上げられています。
余分な脂は落とされ、旨味のある脂だけがのったうなぎは、思わず舌鼓を打ってしまうほどの仕上がりです。
また、代々受け継がれているという自慢のタレは、うなぎに合うよう辛めになっています。
少し焦がされている部分が、なんともいえない香ばしさを生み出し、さらに食欲を駆り立てられてしまうんです。山椒をまぶすと味わいに深みが増し、さらに楽しめます。
鰻重の他には鰻丼もあり、こちらはうなぎを半身使用したものです。味の質は全く変わらないので、鰻重よりも手頃な値段でうなぎを味わいたい時は鰻丼にしてみるのもおすすめですよ。
週末は常に混み合うので、予約をしてから訪問すると良いでしょう。
東屋の詳細はこちら
【川越】うな吉
「うな吉」は、閑静な住宅街に佇む、地元住民に愛される隠れた名店です。
繁華街からは少し離れた場所にあるので、落ち着いた空間で美味しいうなぎが食べられます。じっくり焼き上げられたうなぎは、皮がカリカリ、身はしっかりと厚みのある仕上がり。
一口かじると、口の中に香ばしさが広がっていきます。
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また、醤油味の効いたタレも、うなぎの味を程よく引き締めてくれているんです。甘すぎないためご飯との相性も抜群で、自然と箸が進みます。
さらに、使用されているうなぎは脂もたっぷりのっているもの。旨味も含んだ上品な脂なので重たく感じません。
ボリューム感もありますが、鰻重の価格は税込3,000円と抑えられているので、コスパも良いです。
訪問の際は、駅から距離があるため、車の利用をおすすめします。週末は混み合うので、予約をしてから利用すると良いですよ。
うな吉の詳細はこちら
【川越】深井屋 (ふかいや)
「深井屋 (ふかいや)」は、熟練のうなぎ職人である店主の技が光る有名店です。
出されるうなぎは全て、店主が手作業で捌き、串を打ち、蒸して、焼き上げています。うなぎ自体も、信頼のおける問屋から選りすぐりのものだけを仕入れているというのですから、驚きです。
それだけの手間がかけられた鰻重は、もちろん絶品。パリパリの皮とフワフワの身の、絶妙なバランスの食感が楽しめます。
また、タレは甘さ控えめで、うなぎの香ばしさを引き立ててくれる味です。用意されている、和歌山県産の香り高い山椒を振りかければ、さらに豊かな風味が広がります。
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「やはり、うなぎは味と一緒に、香りや風味まで楽しむものだ」と実感させられるような鰻重です。
提供されるうなぎは、店主が1人で用意していることもあり、数がかなり限られています。早い時は、開店から1時間ほどで無くなってしまうこともあるので、事前の予約がおすすめです。
しかし、土日祝日は1組しか予約枠がないため、注意しましょう。うなぎ料理を目当てに来訪する場合は、開店と同時に入店できるよう、11:30にお店に着くようにすると良いですよ。
深井屋 (ふかいや)の詳細はこちら
埼玉県で有名!美味しいうなぎが食べられるお店

埼玉県には、浦和や川越以外にも、まだまだうなぎが美味しいお店があるんです。
ここでは特におすすめな4店をご紹介します。
【新座】島田屋
「島田屋」は、新座に密着してうなぎを提供してきた、地元住民に愛され続ける老舗です。
定番の鰻重と鰻丼の他に、蒲焼ライスという、最初から蒲焼とライスがセットになったメニューもあります。使用されているうなぎは、しっかりと脂がのっていて身がとろけるような仕上がり。
丁寧に蒸すことでふっくらと焼き上がっているので、一口食べただけでも、身の厚みと香ばしさによる満足感があります。
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タレは甘めながらも濃すぎず、あっさりとした印象です。
皮の焼き加減については、パリパリ感はそれほど強くなく、柔らかめに焼かれています。山椒も比較的あっさりしているので、多めに振りかけるとちょうど良い感じでした。
「島田屋」は人気店ですが、席数は多くありません。
そのため、事前に予約をしてから訪問すると良いでしょう。事前注文もできるので、店内で待つ時間も短縮できますよ。
島田屋の詳細はこちら
【蓮田】魚庄 本店
「魚庄」は、蓮田の本店以外に、大宮にも店を構える人気店です。明治16年の創業以来、一流の技術を駆使してうなぎを提供し続けています。
取り扱っているうなぎは毎日新鮮なものを仕入れており、鰻丼に使うものは注文が入ってから捌くという徹底ぶり。そのため、風味が損なわれる前に楽しめるんです。
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ここでの鰻丼は、一般的なうなぎ店とは違い、鰻重よりも高めの価格になっています。なので、注文時には注意しましょう。
鰻重と鰻丼の値段の違いは、うなぎの大きさと捌くタイミングです。「よりうなぎ本来の味を楽しみたい」という方は、鰻丼がおすすめですよ。
提供されるうなぎは、どれも丁寧に蒸されているので身が柔らかく、旨味を閉じ込めた脂がのっています。甘めのタレともマッチしていて、箸が止まらなくなるほどの美味しさです。
また、通常メニュー以外の宴会コースも、値段に応じて相談しつつ用意してもらえます。なので、特別な時間を過ごしたい時にもぴったりですよ。
魚庄 本店の詳細はこちら
【川口】十和田
「十和田」は、生産者まで分かるという独自のルートから仕入れた養殖うなぎのみを使っている、名店です。店内の造りも客がゆったりできるような造りになっていて、落ち着く空間になっています。
定番の鰻重は、うなぎのタレも焼き方もこだわり抜かれた一品。
備長炭でしっかり焼き上げられたうなぎは、外の皮はカリッと香ばしく、身はフワフワに柔らかく仕上がっています。タレも店独自のブレンドで、うなぎに良く合うものが採用されているんです。
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創業から70年、絶やすことなく注ぎ足されてきたタレは、現在も味にさらなる深みを増しています。とはいえ味は薄めなので、うなぎ本来の味を楽しめますよ。
コース料理も豊富で、昼の時間限定のコースもあります。なので、接待やデートなど、様々なシーンで利用しやすいお店です。
現在はコロナウイルス感染対策として、原則全ての料理が予約制となっています。来店後の注文には数に限りもあるので、事前に必ず食べたい料理を予約してから訪問しましょう。
十和田の詳細はこちら
【松伏町】うなぎ料理専門店 川昌
「うなぎ料理専門店 川昌」は、メディアでも多く取り上げられている人気店です。創作うなぎ料理が有名で、様々なスタイルでうなぎを楽しめます。
中でも特に人気なのが、登録商標にもなっている「うなさし」。
一見すると切って盛っただけのように思える料理ですが、実は蒲焼の3倍の手間がかかっているんだそうです。それだけの手間は、やはり味にも表れています。
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ほぼ生に近い状態であるはずなのに、生臭さも脂っこさも感じることがありません。タレはポン酢、わさび醤油、胡麻油の3種類が用意されており、好みに合わせて選べます。
他店ではなかなか出会えない料理ですので、ぜひ味わってみてくださいね。
鰻重は、関東風と関西風、蒲焼と白焼きなど、味付けや焼き方を自由に選択可能。色々な組み合わせで食べ比べをしてみるのも、おすすめです。
訪れる際は、事前に予約しておいた方が確実かつスムーズに入れます。個室もあり、45名までであれば宴会などの利用も相談可能ですよ。
うなぎ料理専門店 川昌の詳細はこちら
埼玉県はうなぎの名店揃い!
江戸時代からうなぎが有名な埼玉県には、自慢のタレや食べ方の工夫を凝らしている名店がたくさんあります。
今回ご紹介した15店にもそれぞれに特徴がありますので、ぜひ気になるお店をチェックしてみてくださいね。

食べること大好きなライター。埼玉県在住で、美味しいものを探し回ることが趣味です。まだまだ知られていない埼玉の魅力を、余すところなく発信していきます!