「川越いも」と呼ばれる、川越とその周辺地域で栽培される名産品さつまいも。江戸時代から栽培が始まり、江戸っ子に人気を博したそうです。
川越を訪れたなら名産品のさつまいもを堪能しましょう!
食べ歩きに、ランチに、お土産におすすめ! 観光スポット、蔵造りの街並み近辺で楽しめる、おいしくて映える人気のさつまいもメニューを紹介します。
※掲載内容は執筆当時のものです。今後の状況により変更される場合があるので、最新情報は事前にご確認ください。
川越といえばさつまいものイメージだけど…なぜ?

川越でのさつまいも栽培は江戸時代(1751年頃)に始まり、江戸の街での焼芋人気で盛んになっていきました。
土壌がさつまいも栽培に適していたことに加え、新河岸川を使った舟運で江戸へ直接運べる立地が追い風になっていて、「九里四里(栗より)うまい十三里(江戸から川越までの距離)」というコピーで売られていたそうです。
天保時代(1830年頃)の書物「諸国名物番付」に、さつまいもの代表産地は川越地方と記載があることから、品質に優れ、流通量も多い川越のさつまいもが高く評価されていたことがうかがえます。
このころに川越といえばさつまいものイメージができたんですね。
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川越市の公式マスコットキャラクター「ときも」は、身体はさつまいも、頭には時の鐘が付いています。川越といえばさつまいもと時の鐘。まあるいフォルムがかわいらしい♪
川越のさつまいも「川越いも」の主な品種は?

「川越いも」とは特定の品種を指す言葉ではありません。
江戸時代当時は川越藩とその隣接する村々、現在でいうと川越市とその周辺の、三芳町、所沢市、ふじみ野市、狭山市、新座市などで生産されたさつまいもを指します。
代表的な品種を紹介します。
このほかにも、紅はるかや、安納芋、シルクスイートなど多くの品種が栽培されています。
最近は「ねっとり系」の人気が高い傾向にあるそうですが、「ホクホク系」も根強い人気。種類によって甘みや食感が驚くほど違うので、食べ比べて好みのものを見つけてみてくださいね。
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川越市の南にある三芳町上富(旧川越藩上富村)では、落ち葉を発酵させて畑に漉き込む循環型農法で作られた「富(とめ)の川越いも」をブランド化しています。こちらも要チェック!
川越名物!さつまいものパリパリチップス♪
それでは今度は実際にさつまいもが食べられるお店を紹介していきましょう。まずは蔵造りの街並みでの食べ歩きで不動の人気を誇るこちらからです!
【おさつチップ】小江戸おさつ庵
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川越のシンボル「時の鐘」があるかねつき通りで常に長蛇の列ができているのがこちら「小江戸おさつ庵」。
極薄切りにしたさつまいもを揚げた、サクサクパリパリのチップスです。
そのままでもおいもの味でおいしいですが、ディップソースを付けると味が変わってまたおいしい。ディップソースは10種類から選べます。
花束のようにカップに盛られたおさつチップと時の鐘を一緒に写すのが定番の映えスポットです。
川越で食べたいさつまいものひんやりスイーツ♪
蔵造りの街並みにはソフトクリームを扱っている店がたくさんあります。
これから暑くなるとよりおいしくなるソフトクリーム。どれもかわいくてインスタ映えですが、写真撮影は溶ける前に手早く行いましょう。
【仙次郎ソフト】芋屋初代仙次郎
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本川越方面から蔵造りの街並みをまっすぐ進み、札ノ辻の交差点のちょっとだけ手前にある「芋屋初代仙次郎」では、美しいくるくる巻きの濃厚ソフトクリームを楽しめます。
ソフトクリームはさつまいも・ショコラ・ミックスから、ふちにひと巻きされるクリームはレアチーズクリームとキャラメルクリームからそれぞれチョイス。そこにさらにいもようかんとパリパリのいもチップスがトッピングされます。
さつまいものソフトクリームはミルキーでおいもの味がしっかり。ショコラはとにかく濃厚! どちらも楽しめるミックスがおすすめです。
そしてこの特徴的な細さと美しさに目を奪われること間違いありません。店内には撮影スポットもありますよ。
【どんだけ~芋プリン】川越プリン
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蔵造りの街並みに溶け込むプリン専門店「川越ぷりん」では、食べ歩き専用スイーツ「どんだけ~芋プリン」が人気です。
角切りおいもの入ったトロトロプリンの上に、プリンソフト、芋モンブランクリーム、芋チップスがトッピングされた豪華プリン!
可愛らしいサイズの瓶ですが、ソフトクリームがみっちり入っているので見た目よりも食べ応えがあります。瓶の口が小さく崩れやすいので溶ける前に食べましょう。
紫いもプリンを使った「どんだけ~紫いもプリン」もあります。食べ終えたプリンの瓶は店舗に持っていくと10円バックされます。
【大学芋パフェ】川越いわた
創業80余年の味をさつまいもの町川越で伝える「川越いわた」は大学芋の専門店です。
出来立てのあたたかい大学芋の立ち食いもたまりませんが、スティックタイプの大学芋「小江戸スティック」とさつまいもアイスを合わせた「大学芋パフェ」もおすすめ。
なめらかなアイスに、大学芋の甘じょっぱい蜜が良く合います。大学芋はしっとりほくほく。たっぷりかかったゴマが香ばしい!
底にはおいもチップスとコーンフレークが入っていて、カリカリっとした食感で飽きる間もなく完食出来ます。
お店はクレアモールの出世稲荷そばの新富町本店と、時の鐘近くの2店舗あり、大学芋パフェはどちらでも食べられます。お土産にはぜひ蜜たっぷりの大学芋をどうぞ。
川越のさつまいもをランチで堪能♪
川越を訪れたならランチもさつまいもづくしで行きましょう。さつまいもの魅力を引き出す、様々なさつまいも料理が楽しめるお店を紹介します。
【さつまいもミニ懐石】陶路子 (とろっこ)
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陶路子 (とろっこ)は蔵造り通りの陶器屋さん「陶舗やまわ」の一角にあるお店です。
ランチメニュー「さつまいもミニ懐石」は、いもカクテル又はいも茶から始まるさつまいもづくしのミニ懐石を堪能できます。
さつまいもの調理法ってこんなにあったんだ! と驚くこと請け合いの多彩な料理と味わい。器やさんならではの素敵な器づかいも必見です。
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蔵造り通りに面した「陶舗やまわ」の外観は、川越を舞台にした2009年NHK朝の連続テレビ小説「つばさ」で、主人公の生家の和菓子屋「甘玉堂」として使われました。
実際撮影に使われた甘玉堂の看板が展示されています。
【昔と今の芋料理】えぷろん亭

「えぷろん亭」は生まれも育ちも川越という料理研究家の原京子さんが営むお店です。
蔵造り通りの、札ノ辻に近い場所にある歴史を感じる落ち着いた建物。木でできた看板が目印です。季節の食材を使った手作りの家庭料理が味わえます。
「昔と今の芋料理」は、さつまいもを使った料理がなんと10品!
江戸時代から続く、タヌキ汁・いも団子などの伝統のものから、名物いも焼きそば、紫いもスティックなどの目新しさを感じるメニューも並びます。デザートもさつまいもですよ。
小江戸川越らしい落ち着いた空間でじっくりとさつまいも料理を味わいたいというときにおすすめ。さつまいもが揃う秋口からの季節限定です。
川越のさつまいもを使ったカフェメニュー♪
川越には魅力的なカフェもたくさんあります。個性的なカフェのさつまいもを使った人気メニューを紹介します。
【富の川越いも】川越 これがかき氷
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川越市役所の交差点をはさんで斜め向かい側にある「川越 これがかき氷」は、天然氷を使ったフワッフワなかき氷専門店。
こちらで食べられるのは、その名もズバリ「富の川越いも」!
三芳町阿部農園の「富の川越いも」を焼き芋にして作ったなめらかで濃厚なソース。トッピングの角切りおいもは中にもしっかり入っています。
甘酸っぱいカシスソースが別添えになっていて、2種類の味を楽しめます。印象がガラっと変わるので、おいもの味を堪能してからかけるのがおすすめです。
常に行列ができている人気店です。HPの順番待ち受付を利用しましょう。注意事項はしっかり確認しましょう!
【べにあかパフェ】さつまいもcafé

出典:川越菓匠 くらづくり本舗
蔵造りの街並みでもひときわ目立つ、時の鐘に次ぐランドマーク埼玉りそな銀行川越支店蔵の街出張所。そのすぐ隣に位置する「くらづくり本舗一番街店」の奥に「さつまいもcafé」はあります。
入店はくらづくり本舗の店舗入り口の右手、アーチ状のレンガの門から。または、くらづくり本舗店内からも行けます。
こちらの建物は川越市指定有形文化財の小林家住宅。明治26年(1893年)に建造された店蔵です。当時の様子がそのまま残されたレトロな雰囲気を楽しめます。
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「べにあかパフェ」はくらづくり本舗の超人気商品「べにあかくん」がまるごと乗ったパフェです。
しっとりと口当たりの良いスイートポテトはフルーツやクリームと相性が良く、ペロリと食べられまよ。古民家風の店内は落ち着いた雰囲気で、歩き疲れた時の休憩にもピッタリです。
【川越スペシャル(さつまいものパンケーキ)】cafe Matilda(カフェマチルダ)
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西武本川越駅から徒歩3分。パンケーキ専門店「cafe Matilda(カフェマチルダ)」は、アメリカンでポップな雰囲気。おもちゃ箱に迷い込んだような店内にウキウキした気分になれるカフェです。
こちらのスイーツ系パンケーキ「川越スペシャル(さつまいものパンケーキ)」は、さつまいもを練り込んだほんのり甘いもっちり生地が魅力。
パンケーキにしっかりさつまいも感があってこれだけでもおいしいのですが、そこにさらに抹茶とバニラのアイスとパリパリのチップスがトッピングされていて大満足の一皿です。
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色鮮やかなでインスタ映えのカラフルなクリームソーダフロートも話題。お食事系パンケーキも充実しているので、ランチ利用にもおすすめです。
川越のさつまいもを使用したお菓子をお土産に♪
それでは今度は川越土産におすすめのお菓子を紹介します。どれもサツマイモを使用した優しい甘さで、老若男女問わずいも好きに喜ばれること請け合いです。
【川越ポテト】お菓子の紋蔵庵
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川越の和菓子屋さん「お菓子の紋蔵庵」は、直営店6店舗の内4店舗が川越市内にあります。
蔵造りの街並みにある「お菓子の紋蔵庵 蔵の街店」ではさつまいもパフェやさつまいもソフトクリームも人気ですが、お土産にするなら「川越ポテト」がおすすめです。
川越ポテトは、スイートポテト風のお菓子で、しっとりふわっとした口当たり。優しいサツマイモの味が楽しめます。年代問わず喜ばれるお菓子です。
お土産には他に、いも餡の入ったかりんとう風揚げ饅頭「つばさかりん」。食べ歩きには長いサイズの「幸せバトン」も人気です。
【いも恋】菓匠右門
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川越での食べ歩きの際にはぜひとも食べていただきたいのがこちらの「いも恋」。輪切りのさつまいもと粒あんを、山芋ともち粉で作ったモチモチした生地で包んだおまんじゅうです。
「彩の国認定優良ブランド品」として埼玉県から認定を受けています。
店頭の大きなせいろで蒸しあげた「いも恋」をハフハフ言いながら食べるのが一番のおすすめですが、実は家でも簡単にあたためられるのでお土産にも最適なんです。
個包装のフィルムに包まれたいも恋を、冷凍状態のまま電子レンジで約90秒(1個の場合)。数が多い場合は蒸し器がおすすめ。凍ったまま15分でアツアツいも恋の出来上がりです。
日持ちは冷凍で90日。オンラインショップもありますよ。
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川越市内の直営店は、時の鐘店、一番街店の他、菓子屋横丁に2店舗、JR川越駅改札前、第2工場直売店と全部で6店舗。店舗によって取扱商品が違うので、公式HPでご確認ください。
【お芋deショコラ】川越ショコラ Bromagee(ブロマージェ)
蔵造りの街並みにある「川越ショコラ Bromagee(ブロマージェ)」は、白壁の蔵を店舗にしたショコラ専門店です。
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こちらのおすすめは店内で手作りされる「お芋deショコラ」です。
さつまいものペーストと角切りさつまいもの生地の中にチョコレートが入っていて、出来立ての温かいうちはふんわりとろーり。冷やすとしっとりとした食感が楽しめます。
食べ歩きであたたかいものを1つ。気に入ったらお土産にも買っていくのはいかがでしょうか。可愛い紙カップ入りで持ち歩いても崩れにくいですよ。
【芋けんぴ味クランチチョコレート】川越ショコラ Bromagee(ブロマージェ)
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「川越ショコラ Bromagee(ブロマージェ)」の母体は、1981年創業のチョコレート加工品を中心に製造する製菓メーカーです。
素材とチョコレートの取り合わせを楽しむ自社ブランド品「クランチチョコシリーズ」はオンラインショップでも購入できますが、川越のご当地素材芋けんぴを使用した「クランチチョコ芋けんぴ」は川越店限定。お店を訪れた際にはぜひとも手に取ってみてくださいね。
【さつまいもタルト】川越タルト
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大正ロマン夢通りの可愛いタルトやさん「川越タルト」では、こだわり素材で作り上げたタルトを購入できます。
「さつまいものタルト」はしっとりしたスイートポテト風さつまいもと、底にはあずきが入っています。全体的にしっとりしていてタルト部分も硬すぎないのでとても食べやすい。甘さ控えめでいもの味わいを感じられます。
持ち帰りは常温で9時間程度可能。日によって早く売り切れてしまうこともあるので、取り置きしてもらうのがおすすめです。
ユープレイス店はJR川越駅西口直結なので、JRや東武線利用の方は帰りに寄りやすいですよ。
小江戸川越にある「さつまいも」の直売所【川越いも彦兵衛】
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本物の川越いもを購入したい! 家で食べたい! という方には直売所がおすすめ。
中台通りにあるさつまいも直売所「川越いも彦兵衛」は、江戸時代から代々続く農家・中川農園さんが営んでいます。
川越いもの代名詞といわれた「紅赤」など、年間10数種類の品種を栽培していて、収穫期を迎えた物から順に店頭に並ぶので、シーズン中に何度も訪れたくなります。
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販売時期は店頭の自動販売機コーナーで24時間購入できます。車で寄りやすい場所なので、川越観光の時だけでなく、近くに来た時には立ち寄ってみてください。
また公式HPからオンライン販売も行っているので、自宅用はもちろん遠方の方への贈り物にも人気です。
小江戸川越で名物さつまいもを満喫しよう
江戸時代に江戸っ子の焼き芋ブームで築かれた「さつまいもといえば川越」というイメージは令和の今日も受け継がれています。
今では焼き芋だけでなく、様々なさつまいもスイーツ・さつまいも料理が楽しめる川越。あなたの中の「ベスト・オブ・さつまいも」を探してみてはいかがでしょう?
小江戸の面影が残る蔵造りの街並みで、江戸っ子に好まれた川越いもを満喫しましょう!

埼玉県川越市在住。喫茶店・コーヒー屋さん巡りが大好きな、自称川越コーヒー応援団。深煎り派。でも実は紅茶党で、最近お気に入りの「Ty・PhooTEAボーナスパック」を買うために成城石井に行っては、毎回スイーツに目を奪われている。