埼玉県秩父郡にある小鹿野町(おがのまち)は、「花と歌舞伎と名水のまち」として知られています。数々の百選に選定されるほど自然にあふれ、江戸時代から続く歌舞伎等が有名です。
そこで今回は、小鹿野町を満喫できる観光スポットを5ヶ所ご紹介いたします。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
観光でおすすめ!小鹿野歌舞伎の歴史が詰まった資料館
小鹿野歌舞伎さろん
小鹿野町は、約230年もの地芝居(地元の人が演じる芝居)の歴史がある「歌舞伎のまち」です。小さな子どもからご年配の方まで、役者も裏方もすべて住民が行う全国でもめずらしい町であり、町じゅうで歌舞伎を楽しんでいます。
小鹿野歌舞伎は年に数回行われるお祭りで観ることができ、町内6ヶ所にある常設舞台での上演をはじめ、豪華な山車での「屋台歌舞伎」が観られるのも特長です。
通常はお祭りでしか観ることができない小鹿野歌舞伎ですが、小鹿野文化センター2階にある「小鹿野歌舞伎さろん」では、いつでも気軽に触れることができます。
館内には舞台の様子や役者の表情が写し出された数々のパネルが展示されており、映像鑑賞をすることもできます。
またパネルの写真は、小鹿野町広報大使でもある写真家・山口清文氏が長年撮影してきた貴重な一枚です。小鹿野歌舞伎を観たことがある方でも知らない一面を見ることができるでしょう。
さらに、江戸時代から使われてきた衣装や昭和の小道具、明治~大正の台本、祭り屋台の模型など、全81点が展示されています。
伝統や歴史、文化の全てがわかる「小鹿野歌舞伎さろん」は、小鹿野町の観光に欠かせないスポットのひとつです。
小鹿野町観光スポットで行く、日本最大の石造り仁王像に注目!
札所31番 鷲窟山 観音院
続いては、秩父札所34ヶ所の31番札所「鷲窟山 観音院(しゅうくつさん かんのんいん)」をご紹介します。
秩父札所寺院の中でも最も険しい場所に建つ寺で、体力が必要といわれていますが、自然豊かな岩壁の中に多くの見どころがある、おすすめの観光スポットです。
まず山門には、一枚岩の石造り仁王像が鎮座しています。高さ約4m、重量約2,400kgもあり、石造り仁王像の中では日本一の大きさです。
裏山の観音山や東側の大石山から切り出された「岩殿沢石(いわどのさわいし)」という秩父地方で江戸時代から使われてきた石材を使用しています。
秩父の山に眠る石からできた巨大な仁王像は、大地から湧き上がるパワーを感じます。
山門をくぐり、296段の石段をのぼると見えてくるのが、圧倒されるほど大きな岩壁を背負った本堂(観音堂)です。
奈良時代の仏教僧・行基(ぎょうき)が作ったと伝わる「聖観世音菩薩」が安置されています。
本堂の左後方には高さ30mもの「聖浄の滝」があり、かつて修験者が滝行をおこなっていました。
また岩壁に刻まれた無数の小さな「鷲窟磨崖仏(しゅうくつまがいぶつ)」は室町時代のものであり、弘法大師(空海)が一夜で彫ったと伝えられています。
埼玉県指定史跡である磨崖仏は地中にも数段残っており、山全体で十万八千体の仏があるともいわれています。
かつては海であり、現在は山深い場所の「鷲窟山 観音院」は、山海の不思議なパワーを感じられる小鹿野町の観光スポットです。
小鹿野町観光では外せない!日本の滝百選に選ばれた迫力満点の名瀑
丸神の滝
続いては、埼玉県内で唯一「日本の滝百選」に選定された名爆、「丸神の滝(まるがみのたき)」をご紹介します。
「丸神の滝」は、落差76mの3段(1段め12m、2段め14m、3段め50m)にわたって、細い線を描くように滑り落ちていくのが特徴です。
滝口から勢いよく落下する滝とは異なり、段ごとに変化する景色が楽しめます。
両神山のふもとの山深いところにある「丸神の滝」ですが、入口までは車やバスで行くことができ、無料駐車場やトイレ、自動販売機があるので安心です。
また、入口から滝が見える場所までは遊歩道が整備されていて、ハイキングコースとしてもおすすめですよ。
約1.5kmの遊歩道の入口には、東口と西口があります。西口は急な上り坂が続くので、東口から小森川に沿って行くのが良いでしょう。
帰りは西口に向かって歩くと、3段にわたる滝全体を眺められますよ。滝そばまで行くと滝全体が見えづらい場合もあるので、東口から西口回りがおすすめのルートです。
新緑の春、水量の多い夏、紅葉の秋、氷瀑の冬と一年を通じて楽しめ、滝の音やマイナスイオンたっぷりの空気に五感が研ぎ澄まされる「丸神の滝」は、リフレッシュにぴったりな小鹿野町の観光スポットです。
小鹿野町観光は雨の日でも◎小学生から体験可能なスポット
クライミングパーク神怡舘
さて、自然いっぱいの小鹿野町を観光する時は、天候が気になることもありますよね。
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そこでご紹介するのが、雨の日も楽しめる地域最大の屋内ボルダリング施設「クライミングパーク神怡舘(しんいかん)」です。
実は小鹿野町とボルダリングには深いつながりがあり、小鹿野町にある二子山はロッククライミングの聖地として有名で、多くのクライマーが訪れています。
そうした中で「クライミングパーク神怡舘」は、雨の日にクライマーが練習できる施設として、また子どもから大人まで、初めての方も経験者も、おもいっきり体を動かしながら楽しめるスポットとしておすすめです。
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横約35m、高さ約4.5mある壁面には、傾斜80~130度のボルダリング壁が6面備わっており、小学生以上から体験することができます。
またキッズスペースもあるので、小学生未満のお子さんも親子で楽しむことができますよ。
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さらにレンタルシューズ(有料)の用意もあり、動きやすい服装であれば気軽に体を動かせるのもいいですね。
埼玉県と中国山西省の友好記念館をリノベーションして誕生した「クライミングパーク神怡舘」は、建物にも注目したい小鹿野町の観光スポットです。
小鹿野町観光で疲れたら♪レトロな宿と温泉で寛ごう
須崎旅館
最後に、おもてなしにほっと癒される「須崎旅館」をご紹介します。県道209号沿いにある「須崎旅館」は、明治創業の歴史ある温泉宿です。
レトロな雰囲気をそのままに残した館内は、庭付きのスタンダードな客室をはじめ、ワーケーションに最適なビジネス向けから広々とした20畳まで全14部屋あります。一人旅でも、カップルや家族、グループでもくつろげる旅館ですよ。
「須崎旅館」の魅力は、細部にまで気を配ったおもてなしです。
まず館内に入ると、心地よい対応で迎え入れてくれます。そしてロビーには、秩父や旅館の歴史が分かる資料をはじめ、新聞や雑誌などが置いてあり、囲炉裏を囲んでくつろぐことができます。
部屋に入れば、茶香炉からただよう狭山茶の香りのおもてなしがあり、地酒3種(秩父錦・武甲正宗・秩父小次郎)の利酒サービスがあるのも喜ばれていますよ。
朝晩の食事は、地産地消の手づくりごはんを部屋でゆっくり楽しむことができます。
秩父名産の牛・豚・鹿肉のメイン料理をはじめ、新鮮な季節の食材を使った郷土料理が味わえます。料理に使う味噌が自家製なのも嬉しいポイントですね。
温泉は24時間利用可能な大浴場と、50分間無料で利用できる貸切露天風呂の2つです。
大竜寺源泉の温泉でPHが高く、湯につかれば疲れを癒しながら肌をすべすべにしてくれます。アメニティやドライヤーも揃っていて快適です。
日常とかけ離れた空間と細やかなおもてなしで、心から癒される小鹿野町の観光スポットですね。
自然と伝統芸能の宝庫!小鹿野町の観光スポットを堪能しよう
さて今回は、小鹿野町のおすすめ観光スポットを5ヶ所ご紹介してきました。
「花と歌舞伎と名水のまち おがの」は、今回ご紹介した丸神の滝だけでなく、日本百名山「両神山」や平成の名水百選「毘沙門水」、日本の地質百選「ようばけ」、森林浴の森百選「両神国民休養地」などの豊かな自然があり、小鹿野歌舞伎などの伝統芸能が息づく町です。
自然と伝統に触れる小鹿野町観光にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
埼玉で生まれ育ち、40年以上埼玉に住む、生粋の埼玉人です。埼玉の魅力を楽しく発信していきます!