全国的にたくさんの寺社仏閣で祀られている水の神「龍神様」。商売繁盛や縁結びなどさまざまなご利益のある神様は、埼玉県でも多くの神社やお寺で祀られています。
そこで今回は龍神様で有名なスポットをご紹介!2024年の辰年にぜひお参りしてみましょう♪
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
八大龍王神を祀る【秩父今宮神社】
秩父市にある龍神様が祀られている秩父最古の神社が「秩父今宮神社」です。
神社の創建は西暦100年前後で、もとはイザナギ・イザナミの国産みの二神が祀られていましたが、後に役行者の修験道と結びつき、観音菩薩の守護神・八大龍王が祀られるようになり「八大龍王宮」として秩父修験道の中核となりました。
そんな秩父今宮神社の龍神スポットは、神社正面の入り口を入ると右手に見える「龍神池」。武甲山からの伏流水が湧き出しており、信州諏訪の勢力がこの霊泉に水神を祀ったのが神社の起源と言われています。
境内中央には「龍神木」と呼ばれる樹齢1000年超の大きなケヤキの古木。木には大きな洞があり、龍神が住んでいると伝わっています。
1991年12月30日には、神社のご神体の龍神様から竜巻が発生し、龍神木の洞に吸い込まれるように消えたそうです。
境内には「清龍の滝」があり、紙幣や小銭のお清めスポットとして知られています。おみくじを水に浸す水占いもできますよ。
龍神伝説を残す関東三大寺【龍穏寺】
曹洞宗の「関東三大寺」として知られる「龍穏寺」も龍神ゆかりのお寺。創建は807年で、もともとは修験道のお寺でしたが室町時代に曹洞宗の寺院になりました。
山あいの寺なので、車を使うか、周辺地域の散策と合わせてハイキングで訪問しましょう。
名前の由来は龍神伝説から。今の寺がある場所にはかつて深い淵があり、そこに悪龍が住み着きました。
困った村人たちは太田道灌に助けを求め、道灌が招いた雲崗和尚が法力により悪龍を改心、つまり「龍を穏やかにした」とのこと。
江戸時代には曹洞宗一万五千ヶ寺を統括する関三刹のひとつだった龍穏寺。歴史ある石畳と重厚な山門のコラボは凛としたたたずまいです。
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境内では梅や桜や山吹、紫陽花、に彼岸花、南天や椿と四季折々の花々が楽しめます。太田道真・道灌親子ゆかりの寺としても知られており、境内の一角には親子が眠る五輪塔もあります。
龍穏寺に参拝した後はぜひ訪れたい♪お寺から徒歩2分【龍ケ谷ドリーム王国】
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龍穏寺と合わせて訪れたいのが寺から徒歩2分の「龍ケ谷ドリーム王国」。
4月から10月まで川遊びやバーベキューが楽しめます。
さらに春はたけのこ堀りや山菜摘み、夏はスイカ割りや流しそうめん、秋から冬にかけては柚子狩りや焼き芋ができる、里山の自然を満喫できる施設です。
バーベキューサイトはそれぞれ違った趣の場所に7ヶ所あり、日没まで完全に貸切できます。食材と飲み物は持ち込む必要がありますが、それ以外の用具はレンタル可能です。
子ども向けにはシャボン玉などちょっとした遊具も貸出中。このほかカフェもあるので、気軽に立ち寄って一休みできますよ。
関東最古を誇る古社に現れた龍神様【鷲宮神社】
アニメ『らき☆すた』のモデルになったことから一躍有名になった久喜市の「鷲宮神社」。
神代の昔に創建された関東最古の古社で12月の「酉の市」の起源との説もある神社ですが、実は龍神ゆかりの地でもあるんです。
鷲宮神社内の参道沿いにある「光天之池」は古くから龍神が住む池として知られてきました。
長い年月のうちに土砂が流れ込んだ影響で埋まってしまったこともありましたが、1999年に池を復元しようと作業を開始。その土砂の搬出中、なんと池から湧き水があふれ出て、龍のような雲が空を覆ったそうです。
神社によれば、そのときに「天まで光り輝くような池」という神託があったことから、池の名前を「光天之池」としたとのこと。
現在は鳥居が設けられており、そこから参拝できるようになっています。
竜神伝説を擁する見沼のほとりに鎮座する【氷川女體神社】
「氷川女體神社」は龍神伝説の伝わる見沼のほとりにあり、武蔵国一宮に相応しく、多くの社宝を所有する由緒正しい神社です。
祭神はクシナダヒメノミコト。ヤマタノオロチを退治したスサノオノミコトの妻となった女神です。
龍神ゆかりのスポットは「竜神社」。実はこの地は江戸時代の中頃まで「見沼(御沼)」という大きな沼があり、竜神様が住んでいました。
江戸時代の米不足の影響で沼を干拓し、田んぼと見沼代用水路が作られ、今の「見沼田んぼ」に続くわけですが、干拓工事の際に竜神様が女性の姿で現れたとの伝説が伝わっています。
この地では古来より、自然の恵みとその守り神である竜神様へ感謝を捧げるため、見沼に神輿を渡御させる「御船祭」が開催されてきました。
干拓工事によって「御船祭」は場所を移し、その後も様々な形で継承され、現在では各種の祭祀を統合した「祇園岩船竜神祭」として盛大に復活しています。
【番外編】埼玉の龍といったらこれもチェックして♪
大小さまざまな龍に圧倒される【五千頭の龍が昇る聖天宮】
ここからは番外編で埼玉県ゆかりの龍をご紹介します。ひとつめは台湾・中国の道教のお宮である坂戸市の「五千頭の龍が昇る聖天宮」。
康國典大法師が御本尊の「三清道祖(元始天尊・道徳天尊・霊寶天尊)」との縁をきっかけに不治の病が治ったことで1995年に建立しました。生国の台湾でなく日本に建てるようお告げがあったそうです。
15年かけて建てられた聖天宮は、道教らしい色とりどりの豪華絢爛な建物が特徴です。
黄色い屋根には龍が座し、前殿の外には1本の柱に九頭の龍が彫られた「九龍柱」、中庭には一枚の岩に同じく九頭の龍がいる「九龍網」とあちこちに龍の姿があります。
建物の中の精緻な彫刻も見事。御本尊を祀る本殿にある「太極天井」は陰と陽を渦で表現しており、釘は一切使われていないとのこと。宮大工の技が光ります。
なお、参拝は台湾式で初心者にはハードルが高めですが、方法が分からない場合は案内人に聞くと親切に教えてくれますよ。
さいたま市のキャラクター「つなが竜 ヌゥ」のモデルは見沼の竜♪
さいたま市の日本最大規模を誇る大規模緑地空間「見沼田んぼ」には、竜神伝説があります。さいたま市PRキャラクター「つなが竜ヌゥ」はその「見沼田んぼ」の主の子孫です。
ちなみにフランス語では「飾り気のない」「素」という意味があるのだとか。
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ぬいぐるみなどのグッズも販売されており、2025年にはさいたま市緑区にヌゥがテーマの公園までオープンする予定。
イベントを中心にいろいろなところで会うことができるので、見かけたらぜひ一緒に写真を撮ってみてくださいね。
埼玉県の龍神様に会いに行こう!
埼玉県は「川の国埼玉」をアピールするほど川が身近で、河川面積は全国2位。そんな埼玉は川の化身としても知られる龍神にまつわるスポットがたくさんあります。
辰年の2024年の初もうでの準備や、年賀状づくりの参考にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
旅行メディアから出産を機に独立した、埼玉県在住のフリーライターです。得意分野は旅行と歴史と食事。最近、公園やテーマパークを中心とした県内の幼児連れのお出かけ先には詳しくなりました。埼玉県の魅力を皆様に伝えられるよう、頑張ります!