鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたま(以下、ラボたま)が行っている「空き家」に関する授業の連載第2回目として、埼玉県へ移住され「空き家」を利活用している2名の方に高校生がインタビューを行いました!
「移住」と「空き家」の関係性について、インタビューを行いながら高校生たちが真剣に取り組んでいる様子をお届けします。
初めてご覧になられる方は是非第1回目もご覧ください!
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
ご登壇いただいた2名の移住者の方のご紹介
講演者① 大田 幸子(おおた さちこ)さん
出身は鹿児島県阿久根市。都内で就職・生活後、「寄居町」に活動拠点を移し、移住。
① 移住を検討したきっかけ
漠然と仕事を変えたいと思い、自分が好きなこと・やりたいことを考え直した時、古民家のリノベーションに興味を持つ。「やりたいことは東京じゃなくても出来るかも」と思い、地方移住について調べ始めた。
② 寄居町に移住を決めた背景
移住サイト「SMOUT」を通じて移住先検討する中で、寄居町に興味を持ち、まちのイベント等に参加。地域との繋がりができてきた時、いいタイミングで空き家だった家を貸してもらえることになり、地域おこし協力隊として移住を決意。
③ 現在の活動
長期滞在からまちの魅力を知ってほしいという思いから、古民家をリノベーションした民泊施設「帰宿穏坐」をオープン。その他、長期間空き家になっていた旧洋裁学校をリノベーションし、「studio Doreme」として撮影会等、様々なイベントを開催している。
講演者② 西村 拓也(にしむら たくや)さん
出身は埼玉県狭山市。都内で就職・生活後、「川越市」に活動拠点を移し、Uターン移住。
① 移住を検討したきっかけ
父親の転勤が何度かあったことや旅が好きであったことなどがあり、さまざまな地域、国に行く経験をしていた。そのため、一つの場所や地域、いわゆる都市などにもこだわりはなく、多様な場所で暮らしてみたいと思っていた。
② 川越市に移住を決めた背景
元々、川越市は馴染みのある場所だったが、川越市主催の「まちづくりキャンプ」という空き家の活用案を検討するイベントに参加したことで、まちの魅力を再発見し、川越で事業を考え始めたことがきっかけ。出身高校が川越市だったことも1つの縁。
③ 現在の活動
古民家を地域住民やSNSを通じて集まった人達でリノベーションし、ゲストハウス「ちゃぶだい Guesthouse,Café&Bar」をオープン。カフェ、ゲストハウスの運営の他、シェアハウスや毎月最終日曜日に開催している地域農家のマルシェ「LAST SUNDAY MARKET」等のイベントを運営等もしている。
真剣にインタビューを行う生徒たち
それでは11月16日(金)に行われたインタビューの様子をお届けします。
大田さんへのインタビュー
当日は学校の剣道場・柔道場の2箇所に分かれ、大田さんと西村さんに交互でインタビューを行いました。
大田さんの回では、寄居町に移住してきた経緯や空き家を活用して収入を得ることの大変さを赤裸々に教えていただきました。
寄居町の住民の皆さんは穏やかな人が多く、人付き合いが楽しいそうです。「埼玉に来てよかった」と何度もお話しされていました。
中でも印象的だったのは、空き家の利活用についてお話を伺う中、借家DIY(シルクハウス)のエピソードで、「借家をDIYしていたら近所の人たちが自由に集まってきて気がついたら大人数でDIYをしていた。庭師が出入りしていたら気が付いた時には庭園ができていた」とのことでした。衝撃的ですね。
その他にも、民泊の帰宿穏坐(きしゅくおんざ)の経営や、旧洋裁学校を活用してデザイン展を行ったり、コスプレイベントを行ったりしているとのことです。
生徒からは「活動していて大変なことは何ですか?」との質問が出ていました。
すると、「毎日仕事のような、休みのような生活をしているためオンオフがないことです。海外から夜中に予約の連絡が入ったりもします。ただ、やりたいことをやって楽しんでいるので、ストレスフリーで今が一番幸せです!」とのことでした。
インタビューをしていると大田さんの楽しみながら生活している姿が羨ましくなってきてしまいます。
西村さんへのインタビュー
西村さんの回では空き家を利活用したまちづくりについて教えていただきました。
西村さんは(株)ちゃぶだいを設立し、「ちゃぶだいGuesthouse」や「シェアハウスConote」などを経営し、空き家を通してまちづくりを行っています。
ちゃぶだいは「つながる・たのしむ・ひろがる」をコンセプトにしているそうです。
西野さんのまちづくりの理念は…
とのことでした。
人と人との繋がりをとても大切にされているのが分かりますね。「関わるひとが資産」ともおっしゃっていました。青春を過ごす生徒たちにとっては胸に刻まれる言葉だったのではないでしょうか。
過去には、川越市役所の地下に籠ってまちづくりについて検討されていたという経験もあるそうです。経験豊富な西村さんの話に、生徒たちも真剣に耳を傾けます。
生徒からは「1日の仕事のスケジュールについて」質問が出ていました。運営しているゲストハウスの宿泊予約が入った際には、チェックイン対応を行いながらカフェの運営を行っているそうです。
通常のカフェの他に、毎月最終日曜日に実施する「LAST SUNDAY MARKET」や、繋がりのある個人とのイベント等、地域との関わりしろを増やす取組みを日々行っているとのことでした。
生徒の皆さんも、一つ一つのイベントの話を興味深く聞いていました。
残って質問する生徒
チャイムの音が鳴り生徒たちが撤収する中、なんとその場に残って個人的に質問する生徒もいました。
「空き家で起業するにはどうしたらいいと思いますか?」「空き家を活用した不動産投資について考えたことはありますか?」等々。大人顔負けの質問をされていました。将来が楽しみですね!
今日学んだことを活かして
今回のインタビューでは、移住者の方それぞれの体験談をもとに空き家の利活用について勉強しました。生徒たちにとって意味のある時間となったと思います。
この探求学習の最終日には、生徒たちに空き家についての発表をしていただく予定です。どんな発表になるのか楽しみですね!
さて、次回は12月19日に鶴ヶ島市内の実地調査をしに行きます!生徒たちにどんな気づきが生まれるのかが気になりますね!お楽しみに!
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