【鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたま】高校生が空き家の実地調査を行いました!

鶴ヶ島清風高校の生徒たちが空き家の調査に取り組んでいる様子

鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたま(以下、ラボたま)が行っている「空き家」に関する授業の連載第3回目です。

今回は、高校生が鶴ヶ島市内を対象とした空き家の実地調査を行いました!

空き家調査のためのマニュアルやアプリを駆使して高校生たちが空き家の調査に取り組んでいる様子をお届けします。

初めてご覧になられる方は第1回目、第2回目も是非ご覧ください!

※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。

鶴ヶ島清風高校の「空き家」に関する授業風景
埼玉県立鶴ヶ島清風高校の外観

空き家の調査方法

空き家の調査範囲

今回の調査では、鶴ヶ島清風高校から比較的距離の近い住宅地を、高校1年生約200人が36グループに分かれて調査を行いました。

 限られた時間の中で、生徒たちは「実際にどんな住宅が空き家になっているのか」、「どれくらい空き家があるのか」、「どうやって見分けていくのか」等を考えながら調査に取り組むことで、新たな気づきを得ることができるのではないでしょうか。

様々なツールを使って空き家を調査する生徒たち

それでは12月19日(火)に行われた実地調査当日の様子をお届けします!

空き家調査について学ぶ生徒たちの姿

調査に行く前に、先生から空き家の見分け方や調査にあたっての留意事項について説明がありました。

特に生徒の安全が第一です。トラブルに巻き込まれないよう、念押しでご説明されていました。

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま
留意事項

・住居の敷地内には決して立ち入らないこと!
・家の調査やiPad操作に没頭せず、周囲の状況に気を配ること!
・通行人の邪魔にならないよう、広がって歩かないこと!
・時間内に間に合わない時は授業時間内に学校に到着できるよう、調査を切り上げて帰ってくること!
・自転車を駐輪する際は、固めて置き、用意した表示を置くこと!

生徒たちもこれから行う調査に向けて先生の説明を真剣に聞き、マニュアルを読み込んでいました。

日頃、スマートフォンを使いこなしている生徒たちは、調査アプリの使い方をマスターするのもあっという間です。

先生の流暢な説明と生徒たちの飲み込みの早さにより、事前説明で滞ることなく終えることができました!

空き家の調査方法

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

空き家を調査するときのポイントとして、今回は「空き家(戸建て)」のみを調査対象とし、「土地」及び「アパート」等については、調査対象外としました。

生徒たちは以下のチェックポイントからグループで話し合って総合的に判断をし、空き家と思った際に専用のアプリに登録していきます。

空き家を見分ける時のポイント

・郵便受けが郵便物やチラシ等でいっぱいになっている。または、投函できないようにテープで塞がれている。
・玄関の表札が外されている又は名札がテープなどで隠されている。
・電気メーターやガスのメーターが止まっている。または、撤去されている。
・雨戸がすべて閉まっている。
・玄関前にチラシや郵便物が散乱している。または、雑草が生い茂り人の出入りがない様子。
・建物や外壁、屋根など外観から見て損傷や破損がみられる。(今後、修復されそうにない状態)
・敷地内にゴミの投げ入れや放置物がある。
・庭やベランダの物干し竿が撤去されている。
・窓にカーテンがついていない。 
・窓から室内が確認出来、家財道具などがない。
・動かせる自動車や自転車が駐車されていない、または、故障した放置車両がある。

チェックポイントのとおり、生徒たちはガスメーターや電気メーターの稼働状況も確認していきます。

提供:空き屋活用株式会社作成資料から株式会社地域デザインラボさいたまが作成
提供:空き屋活用株式会社作成資料から株式会社地域デザインラボさいたまが作成

電気メーターやガスメーターの見方は大人でも知らない方が多いですよね。生徒たちは今回の授業をきっかけに、色々なことを学んでいます。

空き家調査アプリへの登録

今回の調査では、各グループに1台、専用のiPadを支給し、事前にインストールされている空き家に関する調査アプリを使用して調査を行います。

空き家調査アプリには、鶴ヶ島市の住宅地図が予めインストールしてあり、

・「在宅」の登録
・「空き家」の登録(敷地の状態についての情報の入力、写真の撮影等)

を行います。この登録した情報は次回以降の授業において、発表・提言資料作成の際に使用する予定です。

それでは空き家調査に出発です!

空き家調査を行う生徒たち

各種マニュアルとiPadを持ち、グループになっていざ出発です!

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

調査をする時には、住民の方々に不審に思われないよう、腕章を付けていきます。

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

先生たちも空き家の調査中は巡回し、生徒たちが困っていないかを確認します。

生徒のクループ数に対して、大人の人手が足りないということを懸念していましたが、なんと「(株)埼玉りそな銀行 鶴ヶ島支店」の行員の方々が地域のためにとお手伝いに来てくださいました!

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

また、地域デザインラボさいたまの皆さんにも一部のグループに同行し、生徒たちが困らないよう、お手伝いをしていただきました!

生徒たちは空き家判定マニュアルを駆使して一生懸命空き家を調査していきます。

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

※物件の特定を避けるため、モザイク加工を施しています。

グループで相談し、調査した物件を「在宅」または「空き家」と判別して調査アプリへ登録していきます。

提供:株式会社地域デザインラボさいたま
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

授業の時間が終わりに近づいて来るころ、生徒たちは続々と学校に戻ってきました。生徒たちがマナーをしっかりと守ったこともあり、誰もトラブルに巻き込まれることなく、無事に時間内に戻ってくることができました。

調査の結果として、36グループ合わせて約4,700軒の住宅を調査し、約100軒の空き家を見つけることができました。生徒たちは空き家を見つけてどのように感じたのでしょうか。

空き家を調査した生徒たちの感想

調査を終えた生徒たちからは、「普段使っている通学路に空き家があるとは思わなかった。」「住宅街に空き家を見つけて、朽ちていったら周りに住んでいる人たちは困ると思った。」「住めない空き家は相続したくない。」といった声が上がっていました。

この調査は生徒たちにとってよい刺激になったようです。空き家の調査という一つの取り組みに対して、グループで考え判断し、結果から疑問や気づきを得る生徒たちの姿を見ることができました。

今回の調査では、実際に市内の住宅の状況を観察してもらい、どんな家が空き家になっているのか、空き家がある家の周りに住んでいたらどう思うか等、空き家問題を身近に感じることができたのではないでしょうか。

今日の発見を活かして

次回は、いよいよ発表資料を作成していきます!

生徒たちには、これまでの「空き家に関する講義」、「移住者インタビュー」、「空き家の実地調査」で学んだことや気がついたことを活かして発表資料にまとめていただきます。

大人でも解決の難しい地域課題である空き家問題に対して、生徒たちはどのような発想で課題解決に向き合うのか。期待が高まりますね!

次回は発表資料を作成する生徒たちの姿を掲載する予定です!お楽しみに!!

発表資料を作成している生徒
-鶴ヶ島市役所HP(空き家の相続・転居関連ページ等)
お住まいの家が「相続・転居」などの理由で「空き家」になるとしたら‥ | 鶴ヶ島市公式ホームページ
-移住サイト(埼玉ではじめる農ある暮らし等)
「埼玉で農ある暮らし」への移住 | 埼玉県
-埼玉リバーサポーターズSNS
リバサポの公式SNS | SAITAMAリバーサポーターズ
※地域デザインラボさいたまは、埼玉県よりSAITAMAリバーサポーターズプロジェクト支援業務を受託しています
詳細情報

-埼玉県立鶴ヶ島清風高校
所在地   埼玉県鶴ヶ島市高倉946-1
電話番号  049-286-7501
サイト  埼玉県立鶴ヶ島清風高等学校

-株式会社地域デザインラボさいたま
所在地   埼玉県さいたま市浦和区常盤7-4-1
電話番号  048-633-4802
サイト  地域デザインラボさいたま

ABOUT USこの記事を書いた人
鶴ヶ島市
水辺のある公園