【鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたま】高校生が地域課題の空き家について提言します!

発表を行う生徒(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)

鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたまが行っている「空き家」に関する授業の連載第5回目です。

高校生たちが地域課題である空き家問題について、探究学習として学んできた取組は、今回で最終回となります。

高校生たちは、これまで授業で学んできた「空き家に関する講義」、「移住者インタビュー」、「空き家の実地調査」を踏まえて発表資料を作成しました。

高校生たちが空き家について考え、鶴ヶ島市、金融機関、保護者等へ発表・提言を行う姿をお届けします!

初めてご覧になられる方は第1回目~第4回目も是非ご覧ください!

※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。

発表資料を作成している生徒
鶴ヶ島清風高校の生徒たちが空き家の調査に取り組んでいる様子
鶴ヶ島清風高校の「空き家」に関する授業風景
埼玉県立鶴ヶ島清風高校の外観

1日目 クラス内発表会

発表会は2日間に分かれて行います!1日目はクラス内での発表です。

発表前の準備

発表前に改めてグループ内で打合せを行いました。緊張した様子の生徒もいれば、黙々と発表内容の摺り合わせを行う生徒もいました。

はたして、どのような発想で空き家の課題解決に向き合い、発表を行うのでしょうか。

発表前に摺り合わせを行う生徒(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

クラス発表時の様子

いよいよ発表です!

今までの集大成ということもあり、発表直前は発表する生徒たちも発表を聴く生徒たちも、緊張した表情が見受けられました。

そのような様子もありましたが、グループで話し合い真剣に取り組んできた探究学習だからこそ、いざ始まった際には、流暢な言葉遣いで発表をしていました。

発表をする生徒のなかには、自分のスマートフォンにスライドを落とし込み、手元を見ながら発表している生徒もいました。

クラス発表の様子(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま
クラス発表の様子(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

発表を聴く生徒たちも、別のグループが考えた空き家の対策方法に真剣に耳を傾けます!

クラス発表の様子(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

クラス発表会では、以下の内容で発表が行われていました。発表の一部をご紹介します!

発表内容

・鶴ヶ島市は平和で静かなところだから高齢者層にとって住みやすい街。老人ホームに改築して活用したい。
・空き家になる前に、家族で話し合いリバースモーゲージ(※)を活用してほしい。
・もし空き家になってしまった時には、空き家バンクに登録する。
・市に引き取ってもらい、公共施設として無料で使用できるようにするのはどうか。
・比較的きれいな空き家は解体せず、トランクルームとして使いたい。 等

※リバースモーゲージとは、自宅を担保にした融資制度の一種。自宅を所有しているが現金収入が少ないという高齢者世帯が、住居を手放すことなく収入を確保するための手段のこと。

なんと、「リバースモーゲージ」といった、大人でもなかなか馴染みが薄い用語が出てきていました!生徒たちが空き家について深く調査していたことが分かりますね。

資料はどれも、きれいにまとめられた発表ばかりでした。発表した生徒たちだけでなく、発表を聴いた生徒たちにとっても良い刺激となり、充実した1日となったのではないでしょうか。

2日目 全体発表会

2日目は全体発表会です。

各クラスで選ばれた代表1グループがそれぞれ、鶴ヶ島市、金融機関、保護者等へ発表・提言を行います!

当日は生徒の保護者だけでなく、鶴ヶ島市役所の職員、(株)地域デザインラボさいたまの代表取締役、(株)埼玉りそな銀行 鶴ヶ島支店の支店長やマスコミ関係の方々にもご来賓いただきました。

発表を行う前の生徒たちは緊張した面持ちでしたが、クラス発表時と同様、発表を始める時には堂々とした発表を見せてくださることでしょう。

ご来賓の方々(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

これまでの授業の紹介

まず初めに、この日初めて空き家課題に触れるご来賓の方々に向けて、(株)地域デザインラボさいたまの職員の方から「全国での空き家の課題について」、「生徒たちの今までの探究学習の取組について」ご説明いただきました。

また、生徒たちに空き家を対象としたお金の回り方がイメージしやすいよう、空き家ビジネスについてのご説明もいただきました。

生徒たちは今まで学んできた空き家の知識をもとに、難しい空き家ビジネスについても興味を示していました。生徒たちの空き家に関する知見が更に広がっているのを感じました。

ラボたま職員の方からの説明(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

発表を行う生徒たち

それでは生徒たちの発表を行う様子をお届けします!

この日のために、発表する生徒たちは発表練習を重ね、スライドのブラッシュアップを行ってきました。

発表で使ったスライドはどのグループも大変分かりやすく、真剣に話す姿はとても格好良かったです!

全体発表会の際には、このような発表・提言がされていました。

発表内容

・空き家をシェアハウスや民泊施設として活用できるようリフォームしたのち、SNSを利用し誘客を図る。
・鶴ヶ島市内の空き家を「まちづくりの資源」とし、滞在体験施設、創作活動施設、文化施設等、地域コミュニティの活性化事業を募集し、提案のあった事業に対し審査会を開催し、採択されれば空き家の回収費用等の一部を助成する。
・空き家を増やさないために、鶴ヶ島市民が今の家に代々住み続けてもらえるための取組を行う。「住み続けていきたい街」を作っていく。
・鶴ヶ島市の池尻池にはカワセミがくるため、バードウォッチングを売りにした宿泊施設にリフォームするのがよいのではないか。 等

流石、選抜グループの発表ですね!

鶴ヶ島市の特徴を活かし、空き家が発生した後の取組だけでなく、発生する前の対策にも着目して発表されていました。

発表を行う生徒(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま
発表を行う生徒(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

発表を観に来た保護者の方々は、相続等を意識する世代ということもあり、生徒たちの発表を観て「自分事」として捉えていただけたのではないでしょうか。

生徒たちの発表によって、鶴ヶ島市内の空き家の発生を一部未然に防ぐことができたかもしれません。

発表を行う生徒(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

発表後はご来賓の方々からコメントをいただきました。

地域課題である空き家に取り組んだ生徒たちの発表に対して、大変感心いただけたようでした!

なんと、鶴ヶ島市の職員の方からは「今回の発表内容を鶴ヶ島市の空き家対策基本計画の参考にしたい。」「市長へ発表いただくことを検討したい。」とのコメントまでいただきました!

一生懸命に探究学習に取り組んできたからこその成果ですね!生徒たちもやりがいを大きく感じる瞬間だったのではないでしょうか。

講評の様子(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

最後には校長先生から賞賛のお言葉をいただきました。

発表会を終えた生徒たちは満足した表情を見せながらも、探究学習がこれでおしまいとなることに少し物寂しそうでもありました。

校長先生による講評の様子(提供:株式会社地域デザインラボさいたま)
提供:株式会社地域デザインラボさいたま

この探求学習は生徒たちにとって貴重な機会となり、大いに意味のある時間だったのではないでしょうか。

これからの生徒たちの成長が楽しみですね!

最後に

本稿をもちまして、鶴ヶ島清風高校×地域デザインラボさいたまが行っている「空き家」に関する授業の連載は終わりとなります。

生徒たちが地域課題である空き家に取り組む姿はいかがだったでしょうか。

本稿をお読みいただいている皆さまにとっても、空き家を自分事として考えていただくきっかけとしていただけたのではないでしょうか。

空き家問題は全国で大きな問題になってきています。それらを解決するためには、地域住民一人一人が地域課題に目を向けて取り組む必要があります。

本稿をお読みいただき、空き家問題を他人事ではなく自分事として捉えていただけますと幸いでございます。

全5回の連載をお読みいただきありがとうございました!

-鶴ヶ島市役所HP(空き家の相続・転居関連ページ等)
お住まいの家が「相続・転居」などの理由で「空き家」になるとしたら‥ | 鶴ヶ島市公式ホームページ
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電話番号  049-286-7501
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