和食の基本であり、欠かすことのできない「だし」。
最近のブームにより、美味しいだしをとって料理を楽しみたいという方も増えていますね。
今回はそんなだしの世界に気軽に迎え入れてくれる、埼玉県和光市の「かつをぶし池田屋」に訪れました。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
和光市「かつをぶし池田屋」とは?
かつをぶし池田屋は、鰹節問屋の池田物産が手掛ける鰹節と天然だし素材の専門店。
プロの料理人も使う質の高いだし素材を、家庭でも味わってほしいという思いから生まれたブランドです。
池田屋のだし素材商品はすべて化学調味料や保存料を一切使用していません。素材の味が生きた本物のだしを、いつもの料理に手軽に取り入れやすい形で販売しています。
かつをぶし池田屋の店内
そんなこだわりのだしを販売する池田屋の店舗は、埼玉県南部に位置する和光市にあります。2021年に旧店舗のすぐ隣に移転し、リニューアルオープンしました。
木のぬくもりを感じる店内には、削り節や昆布、煮干しなど様々なだし素材が柔らかい灯りに照らされています。
こちらは削り節になる前の原料節の状態。普段はなかなか見ることがないですよね。
表面が黒っぽくゴツゴツしているのが「荒節」。荒節は生の魚(鰹・鯖・宗田鰹など様々な種類があります)を解体し、切り分けたものを煮て、焙乾と呼ばれる燻す工程を経てできあがります。スーパーなどでよく見かける削り節の原料はほとんどがこの荒節なんだそう。
焙乾のあとにカビ付け(熟成)を施したものが、茶色くさらさらした「枯れ節」。
そして枯れ節をさらに天日干しし、カビ付けを3~4回以上繰り返したものが「本枯れ節」です。
本枯れ節になるまでには約6ヶ月かかり、そこからさらに1~2年熟成。手間ひまかけた本枯れ節は香りが上品で、まろやかで深みのある味になるのだそう。
「荒節は意外にも、薄口醤油と合わせて関西の料理で使われることが多いです。関東の料理はつゆ自体が濃いため、まろやかな枯れ節がよく使われますね。」とお店の方に教えていただきました。
家庭で使うなら味噌によって変えたりと、料理ごとに使い分けることでいつもの料理がぐっと本格的になりそうですね。
昔はどの家庭にもあったという削り器も販売していました。自分の手で削った削りたてのかつお節…どんな味や香りがするのか、とても気になります。
味の決め手は池田屋のこだわり製法
荒節と枯れ節の違いのほか、削り方によっても香りや味が異なるのが鰹節の奥深いところ。
削り節もこれだけ種類があると迷ってしまいますが、そんなときはだしソムリエ・かんぶつマエストロでもあるお店の方に聞いてみましょう。だしの取り方からおすすめレシピまで詳しく教えてもらえます。
こちらはお店のおすすめ商品のひとつ、「本枯れ花かつを」。本枯れ節を職人さんが超薄削りに仕上げています。ふんわり、はらりと花びらのように繊細な鰹節は、口に含むととろけるような舌触りです。
この食感や深い味わいは、池田屋が製法特許を取得した削り方によるもの。
通常は削るときに鰹節に蒸気をあて、蒸して柔らかくしてから削りますが、この方法だと旨みも一緒に逃げてしまうのだそう。
池田屋はいかに旨みを逃がさず製造できるか試行錯誤し、蒸気をあてずに削り上げる製法を編み出しました。そのため素材本来のうま味や香りを最大限引き出した、本当に美味しい鰹節になるのです。
池田屋の大ヒット商品「生ハムのような鰹節 食べる削り節」
さらに、自宅で本格的なだしを取るのはハードルが高い…という方の入り口になるよう、だしの美味しさをより身近に感じられる商品が充実しているのも池田屋の魅力。
店内でもひときわ目立っていた「生ハムのような食べる削り節」は、見たことのない特大サイズの削り節がインパクト抜群。
「鰹節を主役に押し上げる商品を」と企画され、「おみやげグランプリ2020」でも最高賞を受賞した大人気商品となりました。
手に持つとしんなりと柔らかく、しっとりとした食感はまさに生ハムのよう!ほんのり醤油風味の削り節の香ばしさが口いっぱいに広がり、癖になる味わいです。
食べる削り節にかける専用のタレも「塩味」「山椒」「ピリ辛味」の3種類販売されています。
だし仕込みの米オイルが効いたタレをひとさじかければ、ご飯によく合う味わいに。サラダやパスタのトッピングとしても美味しいとのことで、料理の幅が広がりそうです。
5種類の国産素材が入った「だしパック 鯛とまいたけ入り」は、鍋に水とだしパックを入れてそのまま調理できる便利な一品。
池田物産の代表取締役であり、だしソムリエ協会認定講師でもある池田正さんが自らブレンド比を考案。具材の味を引き立て、料理に深みをプラスしてくれます。
和食だけでなく、洋・中など様々なジャンルの料理に合う手軽なだしパックは、いろんなレシピに挑戦するのが楽しくなりそうです。
かつをぶし池田屋ではじめる、だしのある暮らし
人生の節目の贈り物にぴったりなギフトセットも充実していました。手ぬぐいや竹かごに入ったものなど、和のイメージを大切にした包装も素敵です。
今まで顆粒だしに頼りきりの筆者でしたが、店内の「ふりかけるだけ」「入れるだけ」で完結する手軽な商品をきっかけに、自分でとっただしで作る料理にもどんどん興味がわいてきました。
かつをぶし池田屋は店舗やネットショップでの商品販売のほか、ワークショップやイベントを通してだしの魅力を発信しています。
ぜひそれぞれの入り口から、だしのある豊かな暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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