五家宝の作り方知ってる?熊谷「紅葉屋本店」で職人の技を見学!

紅葉屋本店の外観

熊谷の五家宝といえば、草加のせんべい、川越の芋菓子と並ぶ埼玉三大銘菓の一つ。

素朴な味わいでファンも多い和菓子ですが、どんな風に作られているのかご存じでしょうか?

今回は五家宝の老舗、熊谷市の「紅葉屋本店」に伺い、職人さんの製造作業の様子を見せていただきました。

幼い頃から馴染みのある人も、その製造工程を知ればもっと五家宝に愛着がわいてきますよ。

※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。

五家宝の老舗「紅葉屋本店」とは?

紅葉屋の創業は1765年。なんと江戸時代より五家宝一筋で製造・販売を続ける老舗です。

250年以上続く長い歴史の中で、創業当時からその製法を変えていないというのでさらに驚きですね。

紅葉屋本店の外観

そんな紅葉屋の工場と売店を兼ねた本店は、熊谷市佐谷田にあります。

売店に並ぶ五家宝

売店に並ぶのは、定番のきなこの五家宝をはじめ、変わり種や太巻きなど多種多様。手土産にぴったりな箱入りセットも豊富に販売されています。

売店に並ぶ箱入りの五家宝

香ばしいきな粉の香りがふんわりと広がる、やさしい甘さが特徴の五家宝。代々続く紅葉屋の五家宝はどのように作られているのでしょう。

紅葉屋の昔ながらの五家宝づくり

紅葉屋の五家宝の原材料はいたってシンプル。ベースは大豆、もち米、砂糖、水あめの4種類のみで作られており、無添加・無着色で体にもやさしいおやつです。

素材はシンプルですが、だからこそ素材の質や製法が風味・食感の決め手となるのだそう。

種となるもち米は歯ざわりが五家宝に合うもの、綺麗に粒が膨らむ国産米を厳選。さらにきなこや菓子種をすべて原材料から自社で製造していることも、伝統の味わいの秘訣です。

工場ではちょうど職人さんの作業が始まるということで、五家宝が作られる工程を見せていただきました。

乾燥させてあられ状にしたもち米

まずは五家宝の中身の部分、菓子種です。こちらはもち米をお餅にして、乾燥させてからあられ状にしたもの。このあられの粒々が五家宝のさっくりとした軽い食感を生み出しています。

うちわであおぐ職人

うちわであおいで熱がとれたら、水飴と混ぜ合わせます。

水飴ときな粉の生地

次は五家宝の外側部分となるきな粉の生地。大豆を生豆から炒ってすりつぶしたきな粉を、機械で水飴と混ぜ合わせます。ちなみに見せていただいた部屋の中にあった機械は、この撹拌機1台のみ。

水飴と生地を機械で混ぜる

ここからは、すべて職人さんの手作業で作られているんです!伝統のお菓子とは言っても、製法は全部機械化されているものと思っていた方も多いのではないでしょうか。

きな粉の生地でもち米の生地をくるむ

きな粉の生地でもち米の生地をくるんだら…

生地を長い棒で伸ばす職人

長い木の板で生地を伸ばしながら、五家宝の種類に合わせて太さを均一にしていきます。上下左右に素早く板を動かして綺麗に形が作られていく様は、まさに職人技!

生地を伸ばす職人

職人さんはいとも簡単に生地を操るのですが、きちんとした形に伸ばせるようになるまでは1年もの修行が必要とのことで、この作業の難しさが分かりますね。

1つ1つのサイズにカットする工程ももちろん手作業。数十本の生地を積み重ね、大きな包丁で均等にカットしたら、お馴染みの五家宝のできあがりです。

職人さんが丹念に仕上げた五家宝

目の前で職人さんが丹念に仕上げた五家宝。なんだか親しみがぐっと込み上げてきます。

ご厚意で、できたてほやほやを試食させていただきました。

実は筆者、五家宝の名前こそ知っていたものの、今まで一度も食べたことはなく…

今回こちらの作りたてを味わうのが初めてという、とても贅沢な体験となりました。

できたての五家宝は評判通りほんのり優しい甘さで、香ばしいきな粉の香りがふわり。しんなり、サクサクの癖になる食感です。

一息入れたいときにそっと寄り添ってくれるような、緑茶にぴったりの和菓子でした。

個性いろいろ。変わり種の五家宝もおすすめ

定番の五家宝の魅力を知ったら、変わり種も食べ比べてみるのはいかがでしょうか?

五種類の変わり種の五家宝

紅葉屋ではより幅広い年齢層の方に手に取ってもらえるよう、伝統を守りながら趣向を凝らした新しい商品も展開しています。

ごまやアーモンド、食べごたえのある太巻きや、自家製黒蜜をかけていただく黒黒五家宝、期間限定のチョコなど、食感や風味の違いを楽しめる個性豊かな商品が揃います。

五家宝の断面

いただいた中で個人的なおすすめはアーモンド。菓子種の中に砕いた香ばしいアーモンドが入っていて、カリッとした食感のアクセントが癖になる一品です。

いろんな種類を食べ比べて、お気に入りを見つけてみてくださいね。

紅葉屋の五家宝は通販でも購入できます

五家宝のアップ

江戸時代からその姿ばかりか、手作りにこだわる製法まで脈々と受け継がれてきた紅葉屋の五家宝。

1本1本丹念に仕上げる職人さんの手さばきからは、この先も変わらず愛され続けるお菓子でありたいという思いまで伝わってきました。

紅葉屋の店舗は本店のほかにも熊谷駅ビル アズロード店、熊谷駅八木橋百貨店の2店舗があり、遠方の方は通販もおすすめです。

熊谷に立ち寄ったら、250年以上続く伝統の味をぜひ味わってみてください。

詳細情報

-紅葉屋本店
所在地  熊谷市佐谷田3247
アクセス  関越道「東松山IC」から車で約25分
駐車場  あり
営業時間  8:00〜17:00
定休日  土日、年末年始
電話番号  048-521-0376
サイト  紅葉屋本店

熊谷市の銘菓五家宝
ABOUT USこの記事を書いた人