ここでは、熊谷市の特徴をご紹介いたします。
熊谷市は夏の暑さが全国的にも有名です。しかし気温が高いだけではありません。街じゅう熱いのが、熊谷市です。暑さをプラスに捉える前向きさがあり、熊谷市民はあつく盛り上がっています。
今回は、偉人の熱い志や地元愛あふれる名物、熱気いっぱいのイベントなど、あつい熊谷市をお届けしていきます!
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
熊谷市の特徴
まずは熊谷市がどのような町か、ご紹介いたします。
埼玉県の北部にある熊谷市は、恵まれた自然と便利さの調和が特徴です。熊谷市は埼玉県内で5番目に面積が広く、田んぼや畑、林が全体の約42%あります。※2019年現在(参考:令和02年(2020年)埼玉県統計年鑑)
また、荒川と利根川の2本の河川が流れ、豊富な水と緑あふれる自然環境です。
豊かな自然がありながら、交通アクセスが良い便利さもあります。
熊谷市は、東京都心まで50~70km圏内です。JR高崎線と上越・北陸新幹線が通り、東京駅まで約40分で行くことができます。
また、東北道や関越道などのインターチェンジまでは30分以内と、住みやすい環境です。
そして、江戸時代から中山道の宿場町として栄えた熊谷市は、現在も農業・商業・工業ともに埼玉県内トップクラスの産業都市でもあります。
熊谷市の気候の特徴 夏は暑いけど、冬も暖かい?
熊谷市の夏は暑いです。夏が暑いから冬も暖かく過ごせるのでは?と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし熊谷市は、夏は蒸し暑く、冬は乾燥して寒い、寒暖差が大きい気候が特徴です。
ここ数年、熊谷市の最高気温は37℃以上あり、2018年には41.1℃を観測しました。気温が上がる原因はいくつか考えられています。その1つに、フェーン現象があります。
フェーン現象とは、風が山脈を越えて下っていく時に、乾燥した高温の風となる現象のことです。
熊谷市の最高気温歴代トップ10のうち、7回は北西の風の時に記録していることから、フェーン現象の影響が理由のひとつになっています。
また冬は晴天の日が多く、季節風「赤城おろし」が乾燥した冷たい強風を吹かせ、寒くなります。
そして、日照時間が長いのも熊谷市の気候の特徴です。熊谷市は全国や埼玉県の平均よりも長い、年間2,000時間前後もあります。
熊谷市で有名な歴史上人物
つづいては、熊谷市生まれの有名な歴史上の人物を2人ご紹介いたします。2人とも大変熱い人です。その情熱をお伝えしていきます。
武士として活躍した「熊谷次郎直実」
熊谷次郎直実(くまがいじろうなおざね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期に熊谷郷(現・熊谷市)で活躍した武将です。
源平の合戦での活躍が有名で、源頼朝に「日本一の剛の者」と言わしめるほどでした。
また一ノ谷の戦いでは、平敦盛(平家の若武者)を討ち取ったことでも知られています。平敦盛を討ち取ったこの戦を、直実は後悔し続けました。
なぜなら、若い武士の命を奪うことで、戦の冷酷さを痛感したからです。
そして、のちに直実が出家するきっかけになりました。このときのことは平家物語で描かれ、歌舞伎の演目にもなり、文学や伝統芸能の分野で語られています。
直実はまっすぐな性格で、情に厚い武将でした。武士を辞めて出家し、高野山の熊谷寺に平敦盛の供養塔を建てたことは、敦盛を討ち取った心の痛みと向き合い、相手を敬う気持ちが表れています。
出家後の直実は全国各地に寺院を創設し、熱心な念仏信者となりました。熊谷市仲町にある熊谷寺は、直実が一心に念仏を唱える生活を送った場所です。
直実ゆかりの熊谷寺は熊谷市の観光名所になっています。(※現在、一般の参詣は行っておりません)
JR熊谷駅前のロータリー広場には、馬上で平敦盛を呼び止めようとする直実のブロンズ像が建っています。熊谷駅改札を出ると見える熊谷次郎直実に、熱いものを感じることでしょう。
日本初の女医「荻野吟子」
荻野吟子(おぎのぎんこ)は現在の熊谷市俵瀬で生まれ、日本で初めて女性医師となった人です。
吟子が医師を目指したのは、婦人系の重い病気にかかったことからでした。当時、医師は男性しかいません。男性医師に自身の体を見せることが大変屈辱的でした。
また、同じ思いをもつ女性が多いことを知り、女性医師の必要性を実感します。その経験から、医師になることを強く決意しました。
女性が受け入れてもらえない時代に、医学校に入学することや医師試験を受けることは、大変な苦労がありました。
入学や受験を何度拒否されようとも、医師になる決意は誰よりも強く、決して諦めることなく前に進んでいきます。
そうした情熱が、日本初の女性医師の誕生となりました。
吟子は生涯、医師として多くの命を救うだけでなく、女性の権利を確立するために、社会運動にも熱心に取り組んでいました。
吟子がすばらしいのは日本初の女性医師になったこと以上に、女性が歩むことができなかった道を切り開いたことです。
2019年には、吟子の生涯を描いた「一粒の麦」が映画になりました。
また、熊谷市俵瀬にある「熊谷市立荻野吟子記念館」には、吟子の生涯がわかる資料が展示してあります。荻野吟子をもっと知りたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
熊谷出身の有名作家
江戸川乱歩賞を受賞「森村誠一」
熊谷市の偉人は、歴史上の人物だけではありません。
有名なベストセラー作家の森村誠一も熊谷市出身です。熊谷市親善大使でもあります。
森村誠一は、1969年に『高層の死角』で江戸川乱歩賞を受賞し、その後も『腐蝕の構造』(日本推理作家協会賞)、『人間の証明』(角川小説賞)など、数々の賞を受賞しています。
また、ミステリーやサスペンス、時代小説はシリーズ化され、ノンフィクションなども手がける幅広い作品は、400作以上にもなります。
半世紀以上もベストセラー小説を作り出し、ファンを魅了しています。多くの作品は映画やテレビドラマにもなりました。
2021年9月に発行された「老いる意味」では、森村誠一が老人うつ病や認知症を克服するまでの闘病生活を記し、老いとともに生きることへのメッセージがリアリティある言葉で書かれています。
病気になっても小説を書き続ける夢をもつ姿は、熱い生き方を感じます。
熊谷市の名物
つづいてご紹介するのは、熊谷市の名物です。熊谷市には土地柄を活かしたさまざまな名物があります。その中から今回は2つご紹介いたします。
埼玉三大銘菓の一つ「五家宝」
1つめにご紹介する熊谷の代表的銘菓「五家宝」は、埼玉三大銘菓のひとつです。
(埼玉三大銘菓:五家宝、草加せんべい、川越の芋菓子)
「五家宝」は、もち米、きなこ、水あめのシンプルな原材料から作り、添加物を一切使用していないので、自然食品としても注目されています。
熊谷市は美味しいお米ときなこの原料である大豆、水あめとなる大麦が豊富です。
その地域性を活かし、「五家宝」が誕生しました。古くから受け継がれた手づくり技法の「五家宝」は、磨き抜かれた職人の技がつまったお菓子です。
ほんのり甘く香ばしい、素朴な味わいにほっとすることでしょう。
熊谷市には伝統ある和菓子屋が多数あり、それぞれの「五家宝」を販売していますので、ぜひお試しください。
氷なのにふわふわな「雪くま」
2つめにご紹介するのは、熊谷市のご当地かき氷「雪くま」です。
「雪くま」は、「暑い熊谷」と「美味しい水」の2つを活かして作られました。驚くほどふわふわな食感と、オリジナリティあふれるシロップが特徴です。
その「雪くま」となれるかき氷には、決まりがあります。
以上の3点をクリアしたかき氷だけが、「雪くま」と認定されます。それぞれのお店が創意工夫をし、個性ある「雪くま」を出しています。
ぜひ食べに行ってみてください。
熊谷市の三大祭
暑い熊谷市はイベントもあついです。多くの人でにぎわう三大祭をご紹介いたします。
関東一の祇園「熊谷うちわ祭」
「熊谷うちわ祭」は、毎年7月20日~23日に開催される八坂神社(熊谷市鎌倉町)のお祭りです。
街じゅうに響き渡る熊谷のお囃子(おはやし)に、圧倒されるほど華やかな山車や屋台が市内を回り歩く光景は、「関東一の祇園」といわれています。
「熊谷うちわ祭」の見どころは、23日の夜に最高潮となる「曳っ合せ叩き合い」です。
全ての山車と屋台が集まり鉦(かね)や太鼓が鳴り響く迫力は、一層の盛り上がりをみせ、多くの人を熱く感動させてくれます。
県内有数の歴史ある「熊谷花火大会」
「熊谷花火大会」は、1948年から続いている埼玉県内でも歴史ある花火大会です。
毎年8月の第2土曜に開催され、120分間で約1万発の花火が打ち上げられます。荒川河川敷には500の夜店が並び、毎年45万人もの人たちが訪れることでも有名です。
「熊谷花火大会」の見どころは、誕生日や結婚祝いの心温まるメッセージ花火を打ち上げたり、花火業者が自慢の技を競い合うスターマインコンクールです。
熊谷の夏の夜空に熱い想いが打ち上げられます。
熊谷市の花、桜を楽しむ「熊谷さくら祭」
熊谷市の花である桜を楽しむイベントが「熊谷さくら祭」です。3月下旬〜4月上旬ごろに開催され、会場となる「熊谷桜堤」は約500本のソメイヨシノが2kmほど続いています。
この「熊谷桜堤」は日本さくら名所100選のひとつです。「熊谷さくら祭」の見どころは、桜の木と菜の花が寄り添いながら咲く風景です。
淡いピンク色と鮮やかな黄色が長く続く景色は、目に焼きつけておきたくなる美しさがあります。18時〜21時までライトアップされた夜桜も、昼間とまた違う楽しみ方ができます。
あつい熊谷市を五感で感じよう!
いかがでしたか?熊谷市の熱気は伝わりましたでしょうか。
今回、熊谷市の特徴を熱くご紹介してきました。熊谷市は暑いという特徴を前向きに捉えて楽しむ、パワフルで魅力的な街です。
ぜひみなさんもあつい熊谷市を見て、聞いて、食べて、香って、肌で感じてみてください。
埼玉で生まれ育ち、40年以上埼玉に住む、生粋の埼玉人です。埼玉の魅力を楽しく発信していきます!