埼玉三大銘菓のひとつ「五家宝」は、江戸時代から親しまれている和菓子です。
五家宝は、熊谷市や加須市の銘菓としても知られ、お土産にも喜ばれています。素朴でほどよい甘さで、多くの方に好まれる五家宝。
今回は、五家宝の歴史や熊谷市の名店をご紹介します。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
埼玉の銘菓♪五家宝とは?
五家宝(ごかぼう)は、蒸したもち米を伸ばし乾燥させて、水飴や砂糖で棒状に固め、きな粉を表面にまぶした埼玉の銘菓です。
柔らかいおこしのような食感ときな粉の香りが特徴で、甘さ控えめな風味が人気を集めています。
その五家宝の歴史は古く、江戸時代には、北関東の各地で作られていたと伝えられています。
江戸時代に宿場町として栄えていた熊谷では、「石原米」という良質なお米をはじめ、五家宝の原料が多く生産されていました。
そして、熟練の職人さんが当時と変わらぬ製法を受け継ぎ、五家宝の味を守っています。
五家宝の名前の由来は、「五穀は家の宝なり」という願いを込めて名付けられたと伝えられています。
現在は、熊谷市の銘菓として、草加市の「草加せんべい」や川越市の「芋菓子」とともに「埼玉の三大銘菓」となっています。
五家宝は、稀に熊谷市内の公立小中学校で学校給食に出されることもあり、幅広い世代の方に好まれています。
また、加須市でも特産品として、製造・販売されています。
さらに、五家宝は、2021年文化庁「100年フード」の「伝統の100年フード部門~江戸時代から続く郷土の料理~」で、有識者特別賞を受賞しました。
吉原殿中と五家宝の違いって?
五家宝の発祥には諸説あり、水戸藩の銘菓である「吉原殿中」が由来とされる説があります。
熊谷市史によると、水戸出身の役人が熊谷宿に移住し、茶屋で「吉原殿中」を改良した「五家宝」を販売したと伝えられています。
その吉原殿中とは、もち米で作られるあられを水飴で固めて棒状にして、きな粉をまぶした和菓子です。
五家宝と比べると、吉原殿中の方が大きく、オブラートで包まれているところも異なります。
吉原殿中は、オブラートで包むことで、きな粉が飛散せずに食べやすいという声も多いで
す。
いずれも、きな粉の量や甘さは、製造している店舗ごとに若干異なり、お店ならではの風味が楽しめます。
五家宝の賞味期限
五家宝は、日持ちする和菓子として知られています。購入してから、およそ1ヶ月保存できるので、お土産にも最適です。
五家宝の原料は、大豆・もち米・水飴・砂糖の4つで、かつて保存食としても重宝されました。
常温保存で賞味期限が1ヶ月後が多いですが、10日から2週間を目安にしている販売店もあります。
ちなみに、保存料や化学調味料を使用していない五家宝の賞味期限は、製造日から10日ほどです。
お土産として五家宝を購入する際には、販売店で賞味期限を確認すると、安心して贈ることができます。
熊谷が誇る“五家宝”のおすすめ店
ここからは、熊谷市が誇る五家宝の名店を5店ご紹介します。熊谷市の銘菓である五家宝は、江戸時代から続く和菓子です。
昔ながらの製法を守っているお店や個性的なお店、さらに通販でも購入できる販売店を厳選しました。
創業二百五十余年の老舗【紅葉屋】
まず、熊谷市佐谷田にある老舗「紅葉屋」をご紹介します。創業二百五十余年の「紅葉屋」では、江戸時代から変わらぬ製法で五家宝を作り続けています。
紅葉屋本店の自社工場では、良質なもち米や大豆を使用し、昔ながらの五家宝の味を守ってきました。
五家宝は、無添加、無着色で栄養価が高く、健康的な自然食品としても注目されています。
紅葉屋では、その素朴で懐かしい五家宝の風味を守り、様々な商品を販売しています。
定番の「五家寶」は、良質なもち米と大豆の風味豊かな懐かしい味が楽しめる一品です。
極上五家宝の「松籟(しょうらい)」は、上質な青大豆や和三盆、オリゴ糖を使用した贅沢な逸品。老舗の紅葉屋ならではの五家宝が楽しめます。
さらに、食べ応えがある五家宝「太巻」は、きな粉の香りと上品な糖蜜の風味、軽い食感が特徴です。
紅葉屋の五家宝は、本店「工場売店」のほか、直営店の「熊谷駅八木橋百貨店」「熊谷駅 アズロード店」、県内外の五家宝取り扱い販売店、さらにオンラインショップで購入できます。
お土産にも喜ばれる紅葉屋の五家宝、ぜひ、一度ご賞味ください。
自家製きな粉使用!古くからの製法で五家宝の種から製造【たねに】
続いて、およそ150年続く老舗「たねに」をご紹介します。「たねに」は、熊谷駅から徒歩約9分の場所にあります。
江戸時代後期、菓子種の製造販売から始まった「たねに」は、4代目より五家宝の製造に携わってきました。
「たねに」の五家宝は、山形県産の青大豆を使用した自家製「青きな粉」で作られています。
青大豆のきれいな緑色の「青きな粉」は、脂肪分が少なく甘みも強いため、昔から材料として使われています。
さらに、「たねに」では、古くから伝わる製法にこだわり、五家宝を種から作っています。五家宝の種は「あられ種」と呼ばれ、完成まで4日間かかります。
原料のもち米を粉状にしたあと、蒸し上げや乾燥を経て釜で炒ると、丸く膨らみ「あられ種」が完成します。
こうして作られる「たねに」の五家宝は、直径2.2㎝、長さ6.5㎝の「細巻き五家宝」や「太巻き」が人気です。
濃厚な風味の「細巻き」に対して、やや淡泊な「太巻き」が楽しめる「たねに」の五家宝は、店舗とオンラインショップで購入可能です。
見た目も美しい「たねに」の五家宝、ぜひ、一度お楽しみください。
きな粉がこぼれにくい!五家宝の専門店【埼玉製菓】
続いて、1962年創業の五家宝専門店「埼玉製菓」をご紹介します。「埼玉製菓」は、熊谷市の妻沼地区にあります。
「埼玉製菓」の五家宝は、国産100%の大豆やもち米を使用し、昔ながらの製法を受け継ぐ職人さんが一つひとつ手作りしています。
また、「埼玉製菓」では五家宝のみを作り続け、伝統の味を守ってきました。
無添加の自然素材で作られる「埼玉製菓」の五家宝は、もちもちした食感と素材の風味が楽しめると人気を集めています。
定番の「五家宝」は、香ばしいきな粉の香りと、どこか懐かしい風味で多くのお客様に好まれています。
通常の五家宝の4倍太い「太巻き」は、たっぷりのきな粉と独特の食感が楽しめる一品です。
きな粉がこぼれにくい「魔法の五家宝」は、2本入りの個包装になっています。きな粉がこぼれにくいのは、嬉しいポイントですね。
ネットショップで購入できるカップタイプの五家宝は、車のドリンクホルダーに入るサイズです。
さらに、希少な青大豆の「うぐいす味」や期間限定の「ココア味」「抹茶味」など、バリエーション豊富で人気を集めています。
幅広い世代の方に親しまれている「埼玉製菓」の五家宝を、ぜひ、一度ご賞味ください。
贈り物に好評!長さ60センチの「五家宝 末長く」【堀内製菓】
続いてご紹介する「堀内製菓」は、明治20年創業の老舗です。「堀内製菓」は、熊谷駅北口から徒歩約7分の場所にあります。
創業から130年、上質なもち米や大豆に恵まれ、昔ながらの製法で五家宝を作り続けてきました。
「堀内製菓」では、定番のきな粉やうぐいす味はもちろん、長さ60センチの「五家宝 末長く」が人気を集めています。
さらに、「五家宝 末長く」の太さは通常の1.5倍で、食べ応えもあります。
この「五家宝 末長く」は、ご縁を大切にする気持ちが、60センチの長さに込められています。
金刺繡のメッセージ入りの箱は、用途に合わせて「末長く お付き合いを」「末長く ご健康で」「末長く お幸せに」「末長く ご繫栄を」から選ぶことができます。
想いが込められた「五家宝 末長く」は、お世話になった方への贈り物として、とても好評です。堀内製菓では、オンラインストアで購入することもできます。
感謝を伝えたい方に、ぜひ、堀内製菓の「五家宝 末長く」をおすすめします。(店頭で購入する際は、予約をお願いいたします。)
通販での購入も可能【梅林堂】
「梅林堂」は、熊谷市佐谷田に本社を置き、県内と群馬県で33店舗を展開しています。箱田本店は、秩父鉄道「上熊谷駅」から徒歩約18分の場所にあります。
「梅林堂」の五家宝は、もち米のサクッとした食感と上品なきな粉の甘さが特徴で、地元の方はもちろん、多くの方に親しまれています。
また、五家宝のあられの軽い食感と、甘い生地ときな粉のバランスが絶妙で、幅広い世代の方に好まれています。
「梅林堂」では店舗販売のほか、公式オンラインショップでも購入可能です。
店舗販売では、「梅林堂」33店舗中20店舗で取り扱っています。数量に限りがあるので、予め店舗への問い合わせをおすすめします。
取り扱い店舗につきましては、下記までお問い合わせください。
フリーダイヤル 0120-889-449(月~土)10時~18時
※大宮エキュートでの取り扱いはありません。
公式オンラインショップでは、「五家宝 5個入り」「五家宝 8個入り」「五家宝 12個入り」を販売しています。
※「五家宝 5個入り」は、ネット販売のみ
埼玉三大銘菓の五家宝を堪能しよう♪
今回は、埼玉三大銘菓のひとつ、五家宝をご紹介いたしました。
五穀豊穣を願い、江戸時代に誕生した五家宝は、素材の風味を活かした和菓子として発展してきました。
熊谷市には、伝統銘菓の五家宝を、昔ながらの製法で作り続けている老舗のお店があります。
ぜひ、歴史ある五家宝をお楽しみください。
行田市在住の、webライターです。生まれも育ちも埼玉県!埼玉の魅力を伝えていきたいと思います。