秋といえば、行楽や読書、食べ物など、楽しみが盛りだくさんですよね。
そこで今回は、芸術の秋にスポットをあてて、埼玉でおすすめの美術館5選をご紹介いたします。日本画や盆栽、近代美術、ポップカルチャーなど、埼玉で多彩な芸術作品をお楽しみください。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
埼玉でおすすめの美術館① 隈研吾がデザイン監修した巨大な岩の建物が目印
【角川武蔵野ミュージアム】東所沢市
まずは、アートやカルチャー好きの方はもちろん、新しい本と出会いたい方にもおすすめの「角川武蔵野ミュージアム」をご紹介いたします。
JR東所沢駅から徒歩約10分、「ところざわサクラタウン」にある「角川武蔵野ミュージアム」は、図書館でもあり美術館でもあり博物館でもあり、今までと違った角度から五感が刺激されるミュージアムです。
まず、世界的な建築家・隈研吾氏がデザイン監修した、大地から突き出た巨大岩のような建物に目を奪われます。約2万枚の花崗岩を用いて造られた多面体の建物は、高さ30mもあり、その存在感に圧倒されることでしょう。
また、天候や時間帯、見る角度によって、さまざまな表情を見せてくれるのも魅力です。
この外観だけでも見ごたえがありますが、1階から5階まである館内に入れば、さらなる刺激が待っています。
高さ8mある巨大本棚のパノラマに圧巻!ミュージアムの象徴「本棚劇場」
まず、ミュージアムの象徴的存在が「本棚劇場」です。
4階から5階にかけて造られた巨大本棚は高さ約8mもあり、さらに360度本棚に囲まれています。
今までに体感したことがないスケールの大パノラマには、KADOKAWAの出版物や個人文庫など約3万冊が並んでいます。見上げれば、8mでは終わることなくどこまでも続いているような、想像をかき立てられる空間です。
また、20分ごとに上映されるプロジェクションマッピングも見どころですね。巨大本棚に並ぶ数々の本が、音と映像のエンターテインメントを披露しているように見えてきます。
本棚劇場以外にも!新しい出会いと刺激が盛りだくさん
「角川武蔵野ミュージアム」は本棚劇場以外にも、大人も子どもも魅了する空間が数多くあり、一日中楽しむことができます。
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例えば、1階の「マンガ・ラノベ図書館」では、コミックやライトノベル、児童書など、約3万5千冊が並び、日本一ライトノベルが読める図書館です。
さらに、館長・松岡正剛氏監修の「エディットタウンーブックストリート」、博物学者・荒俣宏氏監修の「荒俣ワンダー秘宝館」、EJアニメミュージアムなど、何度訪れても新しい発見と刺激があることでしょう。
日本初の360度体感型デジタル劇場で新たなゴッホに出会える
2022年11月27日まで開催している企画展、「ファン・ゴッホ -僕には世界がこう見える-」も見逃せません。
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ゴッホが見てきた世界を追体験できる、日本初の体感型デジタルアート展です。
3つに分かれた会場では、壁から床まで360度、映像や音楽でゴッホに包まれる空間、ゴッホの生涯が知れる空間、ゴッホの自画像やひまわり畑と写真が撮れる空間があり、全身でゴッホの世界を体験できます。
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また、2階の角カフェでは、ゴッホが浮かぶラテアートも楽しめますよ。
「ひとつのことも見方を変えれば見え方が変わる」。そんなことを教えてくれる埼玉の美術館で、秋を満喫してみてはいかがでしょうか。
埼玉でおすすめの美術館② 建築家 黒川紀章が初めて設計をした美術館
【埼玉県立近代美術館】さいたま市浦和区
つづいては、「埼玉の美術館でモダンアートに触れたい」「芸術の秋以外の秋も一緒に楽しみたい」という方に、「埼玉県立近代美術館」をご紹介いたします。
「埼玉県立近代美術館」は、JR北浦和駅から徒歩3分ほどの北浦和公園内にあり、紅葉やスポーツの秋もあわせて楽しめるのが魅力です。
さらに、館内のイタリアンレストランでは、食欲の秋も満喫できますよ。
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さて、さまざまな楽しみ方ができる「埼玉県立近代美術館」ですが、まずは格子状の建物に注目してみてください。
国立新美術館など多くの美術館や博物館を手がけた、建築家の黒川紀章氏が初めて美術館の設計をしたのが、この「埼玉県立近代美術館」です。芸術的建築物を見るだけでも、芸術の秋を満喫できるでしょう。
さらに館内では、モネ、ピカソ、シャガールなど海外の巨匠たちをはじめ、日本の現代作家や埼玉にゆかりある美術家たちの優れた作品を鑑賞できます。
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また、「椅子の美術館」としても有名で、近代以降の個性的なデザインの椅子が館内のあちこちに、常時十数種類展示されています。インテリア好きの方も楽しめる場所ですね。
館内以外にも、公園内では音楽噴水や野外彫刻なども鑑賞できるので、秋の紅葉とともに楽しんでみてください。
埼玉でおすすめの美術館③ 世界で初めての公立の盆栽美術館
【大宮盆栽美術館】さいたま市北区
つづいては、盆栽好きの方はもちろん、盆栽に触れるきっかけを探している方にもおすすめの「大宮盆栽美術館」をご紹介いたします。
「大宮盆栽美術館」は、盆栽をテーマにした世界で初めての公立美術館です。
世界中の盆栽愛好家たちから「盆栽の聖地」と呼ばれている「大宮盆栽村」に隣接し、盆栽に親しめるきっかけの場として、2010年に開館いたしました。
「大宮盆栽美術館」には盆栽の名品をはじめ、盆器や鑑賞石、盆栽に関する資料、盆栽が
描かれた浮世絵などが展示されています。
丁寧な解説付きで鑑賞できるので、盆栽初心者でも安心して訪れることができます。
ここでの見どころは、360度見渡せる盆栽庭園です。常時約60点の盆栽を鑑賞することができ、盆栽を通して四季を感じられるでしょう。なかには樹齢1000年もの盆栽もあり、生命を感じる芸術品です。
また、2階の盆栽テラスから庭園を一望するのもおすすめですよ。
さらに、ミュージアムショップでは、ご当地サイダー「大宮盆栽だー!!」で喉を潤すのもいいですね。盆栽が描かれたマスキングテープやメモ帳も見逃せませんよ。
盆栽は季節ごとにさまざまな表情を見せ、根の張り具合や幹の立ち上がり、枝ぶりなどに生命の凄さを感じます。夏の疲れが出る秋は、エネルギーチャージにぴったりの美術館ですね。
埼玉でおすすめの美術館④ 館長 河鍋楠美氏の自宅を改装して開館
【河鍋暁斎記念美術館】蕨市
つづいては、幕末から明治前半に江戸・東京で活躍した日本画家・河鍋暁斎画伯の個人美術館、「河鍋暁斎記念美術館」をご紹介いたします。
ひとりの画家を深掘りしたい方におすすめの美術館です。
「河鍋暁斎記念美術館」は、暁斎の曾孫で館長の河鍋楠美氏が蕨市にあるご自宅を改装して、1977年に開館いたしました。
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河鍋暁斎画伯は、幼少期に狩野派と浮世絵の双方の画技を身につけた偉才です。
画派にこだわることなく、あらゆる技法や画法を習得し、仏画、花鳥画、美人画、ユーモラスな風刺画など、多彩なジャンルの作品を描いています。
その人気は日本のみならず、海外にも数多くの作品が現存しているほどです。
「河鍋暁斎記念美術館」では、下絵をはじめ、肉筆・版画の完成品、挿絵本、絵日記など、約3,300点もの作品が所蔵されており、1、2ヶ月ごとにテーマを変えながらバラエティに富んだ作品を鑑賞することができます。
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また、ミュージアムショップを併設し、復刻本や関連書籍、オリジナルグッズも販売しています。異彩を放つ河鍋暁斎画伯の作品は、見ごたえがあることでしょう。
埼玉でおすすめの美術館⑤ 龜屋本店の一角にある蔵を利用したレトロな佇まい
【山崎美術館】川越市
さいごに、情緒あふれる小江戸川越で、趣深い蔵が生み出す芸術空間の「山崎美術館」をご紹介いたします。
「山崎美術館」は、川越で230年以上の歴史を刻む老舗銘菓「龜屋」の本店奥の旧工場跡に、1982年に開館した美術館です。その趣きを残したままの佇まいは、それだけでも美術品といえるでしょう。
さらに館内に入れば、砂糖蔵や文庫蔵、休憩所の梁一つひとつも、まさに芸術作品です。
この美しい建造物を美術館にした「山崎美術館」では、川越藩の御用絵師の子息であり、明治期に活躍した日本画家・橋本雅邦画伯の作品を中心に、山崎家先祖ゆかりの美術品や工芸品、古文書などが展示されています。
また、入館料(500円)には、お菓子とお茶がついてくるのも嬉しいですね。
展示された和菓子の木型を見ながら龜屋名物を食べていると、その時代のお菓子を食べているような感覚に浸れるかもしれません。
静かにゆったりとした時間が流れる美術館で、日本文化に触れてみてはいかがでしょうか。
埼玉の美術館で芸術の秋を満喫しよう
いかがでしたか?
今回は、芸術の秋におすすめしたい埼玉の美術館を、5ヶ所ご紹介してきました。
ご紹介した美術館は、新しい本や芸術的建築物、紅葉などの自然にも出会える場所です。埼玉の美術館で、すてきな秋をお楽しみください。
埼玉で生まれ育ち、40年以上埼玉に住む、生粋の埼玉人です。埼玉の魅力を楽しく発信していきます!