全国でも有数の小麦産地である埼玉県では、古くから各地でさまざまなおまんじゅうが作られてきました。おまんじゅうは埼玉の定番土産として多くの人に喜ばれています。
今回は、そんな埼玉県で有名なおまんじゅうをいくつか紹介していきます。
※掲載内容は執筆当時のものです。最新情報は事前にご確認ください。
さいたま市のおまんじゅうが集結!「ついたちまんじゅう」とは?
「ついたちまんじゅう」はさいたま市に古くから伝わる風習で、毎年7月1日にその年に採れた小麦でおまんじゅうを作り、神様にお供えをします。
しかし、小麦の生産者が減っていることから、現在では「ついたちまんじゅう」を知らない人も多いようです。
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そこで、昔からの風習を広く知ってもらうため発足したのが「ついたちまんじゅうの会」です。さいたま市内9店舗の和菓子店からなる団体で、毎月1日に埼玉県産小麦を使ったおまんじゅうの販売イベントを開催しています。
さまざまな種類のまんじゅうがたくさん並ぶイベントなので、近くに立ち寄った際はぜひ訪れてみてください。
埼玉でおすすめのおまんじゅう 手土産にもおすすめ!
“あの”CMで有名!埼玉銘菓といえば【十万石まんじゅう】
埼玉県民おなじみの銘菓「十万石まんじゅう」は、「うまい、うますぎる」という特徴的なキャッチコピーのテレビCMで有名です。県内各所に30店舗以上を構えており、埼玉県で定番のお土産として長年親しまれています。
店名の「十万石」は、江戸時代、行田市周辺を治めた「忍藩(おしはん)」の領地の米の生産力が10万石(1石=100升)であったことに由来します。
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米の粉を使った白く柔らかな皮に包まれた「あん」は、大粒で状態の良い北海道十勝産小豆を使い、風味を損なわないようにこだわって作られています。
お茶とよく合う甘さ控えめの味わいで、何個も食べたいからと一度にたくさん買う人も多いようです。埼玉県民はもちろん、他県から観光に訪れた際はお土産に選んでみてはいかがでしょうか。
素朴な味わいにファンも多い川越の名物【いも恋】
続いて紹介するのは、小江戸川越を代表する名物「いも恋」です。川越市の特産品であるさつまいもと、北海道産のつぶあんをモチモチ食感の生地で包んだ、どこか懐かしさを感じられる逸品です。
川越市内を中心に複数の店舗がありますが、「菓匠 右門 時の鐘店」では蒸したての温かい「いも恋」をいただけます。さつまいもはそのまま輪切りで包まれており、自然な優しい甘さを感じられるのが特徴です。
また、時の鐘店限定の「恋ソフト」は、お芋のソフトクリームにハート型の最中がトッピングされていて、美味しいうえに見た目も可愛いとSNSで話題を集めています。
お店の横にはベンチがあるので、川越散策の合間にいも恋をいただきながらひと休みするのもおすすめです。
お赤飯の塩味が◎埼玉北東部のハレの日の郷土料理【いがまんじゅう】
「いがまんじゅう」は、埼玉県の北東部を中心に昔から伝わる郷土料理です。お祭りやお祝い事のある日に縁起物として、地域住民たちに今もなお親しまれています。
あんこが入ったおまんじゅうを、赤飯で覆うようにまぶしてから蒸し上げるのが特徴で、甘じょっぱい味わいともち米のもっちり食感が絶妙に合います。
「いがまんじゅう」という名前は、その見た目が栗のイガに似ていることが由来なのだそうです。
発祥の地とされる鴻巣市にある「和菓子処 田嶋製菓」はいがまんじゅうの名店で、子どもからお年寄りまで幅広い層に好まれています。店頭販売だけでなく電話またはファックスでも注文できるため、ハレの日に大切な人へ贈るのもおすすめです。
また、羽生市にある「まつのや」もいがまんじゅうを販売する有名店のひとつです。江戸時代末期の創業以来、地元で愛され続ける老舗の和菓子屋で、たくさんのメディアで紹介されています。
店ごとの個性が光る「いがまんじゅう」、見かけた際にはぜひお立ち寄りください。
甘辛の味噌だれが絶品!飯能のご当地グルメ【味噌付けまんじゅう】
「味噌付けまんじゅう」は飯能市のご当地グルメで、こしあん入りの酒まんじゅうに味噌だれを絡めて串焼きにした食べ物です。
「第11回埼玉B級ご当地グルメ王決定戦」で準優勝に輝いたこともある名品で、テレビ番組で紹介されたこともあります。
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「味噌付けまんじゅう」を販売する和菓子店として特に有名なのが、飯能駅から歩いて約5分の場所にある「新島田屋」です。
1874年から続く老舗で、創業当時から変わらぬ味の名物まんじゅうを作り続けています。注文してからその場で焼いてくれるので、焼きたての芳しい香りを楽しめるのも魅力です。
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たっぷり塗られた甘辛の味噌だれと、優しい甘さのこしあんが絶妙にマッチしていて、病みつきになるとリピーター客がたくさん訪れます。
店内にはイートインスペースがあるので、味噌付けまんじゅうを片手にひと休みするのもおすすめですよ。
甘じょっぱさがたまらない川口市「中ばし」の【ソース揚げまんじゅう】
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次に紹介するのは、川口市の老舗和菓子屋が販売する「ソース揚げまんじゅう」です。
新井宿駅から徒歩7分の場所にある「中ばし」は、1969年の創業以来、伝統的な製法を守りながらも新しい和菓子作りに取り組み続けています。
これまでテレビや雑誌など多数のメディアに出演しており、和菓子を求めて県外から来店する人もいるほどの人気店です。
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川口市に工場を構えるブルドックソースが町おこしのために開発した「焼きうどんソース」をまんじゅうに練り込んで焼いたものが「ソース焼きまんじゅう」。そしてソース焼きまんじゅうを揚げて、カリッとした食感に仕上げたのが「ソース揚げまんじゅう」です。
店内にはおまんじゅう以外にも羊かん、団子、カステラ、どら焼きなどさまざまな和菓子が並んでいて、手土産にも喜ばれます。
吉川市の名産「なまず」がモチーフ【なまずまんじゅう】
川に挟まれた地形の吉川市には、川魚料理の食文化が根付いており「なまずの里」とも呼ばれています。そんな吉川市の名産のひとつが、「和菓子 まるしん」で長年愛されている「なまずまんじゅう」です。
小豆の香りとなめらかな口溶けの自家製あんが特徴で、皮にはなまずのデザインが施されています。甘さ控えめのこしあんは、お茶請けにぴったりの上品な味わいで「和菓子 まるしん」の看板商品です。
まんじゅうと同じく、なまずのデザインが入った和菓子「なまず最中」も人気商品で、こしあんと粒あんから選べます。
まんじゅうと最中、どちらもよしかわ特産品に指定される銘菓です。吉川市を訪れた際は「和菓子 まるしん」にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
個性豊かな埼玉のおまんじゅうは手土産にぴったり!
地域の名産品を使ったおまんじゅうや、老舗和菓子屋の変わらぬ美味しさが魅力的なおまんじゅうなど、埼玉には個性豊かなおまんじゅうがたくさんあります。どれも違った味わいを楽しめるので、いくつか食べ比べてみるのもおすすめです!
手土産にはもちろん、ちょっと一息つきたいときにも埼玉のおまんじゅうを選んでみてはいかがでしょうか。
お茶香るまち狭山市で生まれ育ったWebライター。飲食店巡りやキッチンカーイベント、マルシェに行くのが日頃の楽しみ。大好きな地元、埼玉の魅力をお伝えしていきます!